動き出す絶望 前編
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的部分に触れる所だ』
「…………そういえばそう言ってたな。じゃあ、その俺の根本的部分に触れる所が、どうして黒くなってんだよ? 」
周囲を見渡しながら、男に質問する。
『黒くなる原因はなんだと思う? 』
「質問を質問で返すんじゃねえよ」
『いいから答えろよ。君はその質問の答えを知りたがっている。けど、僕が答えるとは限らない。さて、理解したか?答えるも答えないも、僕の気分次第って訳だ。
じゃあ、もう一度聞くよ?黒くなる原因はなんだと思う? 』
「このやろう………………」
冷静になれ。コイツは、何故か俺の知らない事を知っている。それを聞き出すために、まずコイツの質問を考えなきゃいけねぇ。
黒くなる原因…………思い出せ。俺はコイツとは夢で会ったのは三回目だ。最初の一回目は、いきなりコイツに話をされて、内容が頭に追い付かなかった…………二回目は………そうだ。確か、大会前日だ。その時は、質問したけど全部はぐらかされた。けど、夢が覚める直前に、この白い空間が黒くなったんだ。
そして三回目の今…………そう。二回目と比べて、より白い空間が黒くなっている。
「…………まさか、お前が夢に出てくるたびに黒くなってる訳じゃねぇよな? 」
『当たらずとも遠からずだね』
「……そうかよ。そういえば、記憶喪失後の俺は、今みたいな事やあの頭痛。そして、靄がかかった映像が頭に流れる事は無かった。けど、それが起きるようになったのは最近だ。
答えろ。お前は、俺の何を知っているんだよ?お前は、いったい俺に何をした? 」
『ははっ。さあね?けど一応、全部知ってるよ。ただし、あの日からの出来事はね』
「あの日? 」
『レイもよく知っている日だ。今は覚えてないようだけど、正しくは思い出したくないのかな? 』
「はあ?なんでそうなんだよ? 」
『分からない?例えば、人は思い出したくない、忘れたい記憶とかあるだろ?けど、そういう記憶に限って忘れられないんだ。いつまでもどこまでもね。
ただし、例外はある。その人の根本的部分に触れる、その人を左右する程の記憶の場合、本能的に、理性的に記憶を追いやろうとするんだ。まるで、元から無い記憶としてね』
「…………つまりなんだ?俺にとってその日は、忘れたい程のものって言いたいのか? 」
『それについては、レイにしか分からない。僕はあくまで、あの日からの出来事しか知らないってだけだ』
「そうかよ。じゃあ、そのあの日ってなんだよ? 」
『それは僕の口からは言えない』
「いいから言えよ。別に言ってもデメリットはねぇだろ? 」
『あるよ。この
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