チャンピオンの本気
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一旦キンセツシティまで戻りヒマワキシティに向かったサファイア達は、一刻も早くシリアの元を目指すためさっそくジム戦に挑んだ。四天王と本気のジムリーダーにさえ勝った二人が通常のジム戦で遅れをとるはずもない。
難なくバッジをゲットし、意気揚々とジムから出てポケモンセンターに戻る途中で。二人は意外な人物の姿を見つけることになる。
「ーーこうして会うのは久しぶりだね、ホウエンチャンピオン?」
「ーーそうですね、ジャックさん」
二人はハッとして一旦身を隠す。何でジャックとシリアがここに?というよりも二人は何故親しげに話しているのか?という疑問が降って沸いた。
(ジャックはティヴィル団に協力してた・・・それじゃあ、やっぱりシリアも?)
イグニスの話を聞いてから、色々とサファイアなりに考えてはいたが、やはり答えなど出なかった。直接会って真実を確かめたいという思いが募るなかでのこの出合いは果たして偶然なのだろうか。そんな考えがふと頭をよぎる。
「しかしいいんですか?計画は成功したようですが、あの博士とその娘は今頃牢屋の中。今後の計画に支障がでるのでは?」
「あはは、心配はご無用だよ。もうあの博士はいらない。後はいつでも最終段階に移行できる」
「・・・そうですか。ではなぜその最終段階とやらに進まないんです?」
そしてチャンピオンは。衝撃の言葉を口にする。
「ーーもう俺にも飽きて。この世に未練はない。さっさと死にたい。そうじゃなかったのか?」
「・・・」
シリアの目が悪鬼のごとくつり上がる。ジャックが千年を生きた仙人のように微笑む。サファイアの知らない二人の姿に、遠巻きに見ているだけなのに戦慄した。
「あはは、やっぱり君はそっちの方が似合うと思うよ。僕、初めてテレビで君を見たとき笑っちゃったよ」
「茶化すんじゃねえ」
「・・・やれやれ」
問い詰めるシリアに、肩を竦めるジャック。するとジャックはーー明確に、はっきりと。隠れているはずのサファイアとルビーを見た。
「二人ともー!カクレオンみたいに隠れてないで出ておいでー!折角チャンピオンとのご対面だよー!」
「なっ・・・」
「最初から、バレてたみたいだね」
ルビーが出ていってしまうので、それにつられてサファイアも二人の前に出る。シリアは若干驚いた顔をしたが、直ぐに取り繕った笑みを浮かべた。
「・・・お久しぶりですね、サファイア君。妹君。しかし立ち聞きは感心しませんよ?」
その笑顔は、酷く薄っぺらにサファイアには思えた。思えてしまった。あんなに聞きたいことを考えていたのにうまく言葉が出てこない。
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