チャンピオンの本気
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った。
「・・・俺達が勝ったら、あんた達の口から知っている事を全部話して貰うぞーー出てこい、ジュペッタ」
「サファイア君・・・」
サファイアの目からは、一筋の涙がこぼれていた。だけどその目は、理性を失ってはいなかった。暴走しそうになる感情は相棒のジュペッタが抑えてくれていたからだ。
「ルビーも頼む。もう一度俺に付き合ってくれ」
「・・・わかったよ。でも、無理はしちゃダメだよ?」
ルビーがキュウコンを出す。サファイアが出すのは勿論ジュペッタだ。そして、メガストーンを輝かせる。シリアのジュペッタもまた光輝く。
「「現れろ、全てを引き裂く戦慄のヒトガターーメガジュペッタ!」」
同じ口上で、同じメガシンカを行う。サファイアのそれは元はシリアの模倣だったが、今ではすっかり自分のものだ。
「ちゃんとやる気になってくれたみたいだね。じゃあいくよ、アブソル辻斬り!」
「影分身だ!」
弱点である悪タイプの辻斬りを、先制の影分身でかわす。構わず分身を俊敏に切り裂いていくアブソル。
一方シリアのジュペッタとルビーのキュウコンは、お互いにすぐには仕掛けずにらみあっていた。
「・・・まさかボクが兄上と戦う日が来るとは思いませんでした」
「そりゃそうだろうな。お前はおくりび山まで旅してその後はそこで一生を終えるんだ。本来なら俺と相対する余地はねえよ」
その言い方に、妹に対する優しさは微塵もなかった。昔の、ルビーにストレスをぶつけて射たときと何一つ変わらない声だった。思い出し、ルビーの体が僅かに震える。それを打ち払うために、ルビーは叫んだ。
「・・・キュウコン、火炎放射!」
「ジュペッタ、影分身!」
9本の尾から放たれる業火が、分身によってかわされる。さらに。
「俺の本当の力を見せてやるよ・・・ジュペッタ、ナイトヘッドからの怨みだ!」
「怨み・・・?キュウコン、影分身!」
シリアのジュペッタが巨大化し、キュウコンに凄まじい呪念をこめる。キュウコンは分身を作り出そうとしたが・・・一瞬のうちに立ち消えた。ルビーが驚き、キュウコンがお化けをみた子供のように震え出す。
「無駄だ・・・俺のナイトヘッドからの怨みは、俺のジュペッタのレベル分、お前のポケモンの技ポイントを削り取る!お前の得意技、火炎放射、影分身、鬼火、守るはもう使えない」
「そんな・・・」
「さあ終わりだ!ジュペッタ、シャドークロー!」
「キュウコン!」
鋭利な影の爪が、金色の美しい毛並みを切り裂く。事実上たったの一瞬で、ルビーの戦術の核となる技を全て封印し。一撃で勝負を決めたシリアの技に、やり方に戦慄する。
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