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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
397部分:第五十五話 痛み分けその一
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第五十五話 痛み分けその一

                   痛み分け
 レダは今まさにであった。カミュをその自らの炎で押し潰そうとしてきた。
「さあアクエリアスよ」
 そのさらに勢いを増した漆黒の炎を見据えながらここでもカミュに言ってきたのだった。
「この炎で焼き尽くしてくれるわ」
「抜かった、ほころびが生じてしまったか」
「ほころびがあればそこに入ることができる」
 レダはそれを見逃さなかったのである。そういうことだった。
「それこそが千日間戦争を終わらせることができるただ一つのポイントだ」
「それでは貴様はそこに付け入るか」
「その通りだ。それではだ」
 ここでまた言うレダであった。
「最後だ、これでな」
「しかしだ」
 それでもだった。カミュの目はまだ死んではいなかった。確かに劣勢に陥ってもだ。それでもその目は生きているのであった。
「劣勢になったからといって諦めることは聖闘士の辞書にはない」
「ではどうするというのだ。この状況で」
「知れたこと。覆すだけだ」
 それだというのだった。
「それだけだ」
「覆すというのか」
「おかしいとでもいうのか?」
「ではやってみるのだな」
 レダは今は勝利が間近にあると感じていた。その為今の笑みに勝ち誇ったものが生じていた。
「この状況でどうやって覆すのかをな」
「では見るのだ」
 ここでまた冷気が起こった。さらに強くなったのだ。
 そしてその冷気が黒い炎の周りを覆ってきた。そうして。
「炎の周りを?」
「そうだ。炎に対するにはこうした方法もある」
 言いながらレダのその炎を冷気で覆っていく。すると炎は全体から弱ってきたのだった。
「その様にして弱めてくるか」
「氷はただ正面から攻めるだけではない」
 カミュは言うのだった。その表情はクールなままである。
「こうした方法もあるのだ」
「成程な。それで劣勢を覆すのか」
「そういうことだ。確かに正面から攻めるより冷気は限られている」
 カミュはそれはわかっていた。しかし今回はそれがかなりの効果があるのだった。
「しかしそれでもだ。その周囲からの冷気によって貴様の炎は弱められた」
「考えたものだな。私が予想したよりも上ということか」
「これで互角に戻った」
 カミュの言葉通りだった。弱められた炎は退けられ再び互角の位置にまで追いやられた。カミュの作戦勝ちとも言っていい状況であった。
「これでな」
「やるものだ」
 レダはそうしたカミュの手腕を賞賛してみせたのだった。
「どうやら我々はここではお互いを倒すことはできないらしいな」
「だとすればどうするのだ?」
「止めるとしよう」
 不意にこう言うレダだった。
「今はな」
「止めるというのか」
「そうだ。私は降
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