暁 〜小説投稿サイト〜
ラブライブ! コネクション!! Neutral Season
Unseal Operation (グランドプロローグ)
活動日誌− み・はミュージックの・み! 1
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ら下の者へと譲る――世間で言うところの『お下がり』と言う風習を。
この風習を公言することにより、学院の敷居が低くなることで生徒が賑わう学院となり――
100年以上も続く伝統校として現在でも存続できているのだろう。
確かに現代の様な、物に溢れた世の中では『忌み嫌われる風習』なのかも知れない。
しかし当時の生徒達は何も疑問を持たずに、お下がりが当たり前だと感じていた。
それは物のない時代だから。物のありがたみを感じているから。そして――
今自分達が着ている制服も、大勢の人達が尊い命を賭して守り抜いた大地があるからこそ、こうして存在するものなのだと感じている。
そんな誰かの命と引き換えに与えられた制服を、役目が終わったからと粗末に扱える訳はない。
命を賭して託していった故人の、この国の明るい未来を引き継ぐ様に。
必要とする誰かへと受け継がれていったのである。
そして先人への敬意としての考えのもと、お下がりを積極的に行うことで生徒の家庭への負担を多少なりとも減少させ――
生徒自身の『勉強がしたい』と言う願いを尊重する姿勢。
そう言った部分に賛同した資本家達の寄付も存続に繋がったのだろう。
そして更に時は流れ、この地が昭和時代を40年ほど過ごしてきた頃――人々の暮らしは戦後間もない頃より格段に豊かさを感じられる様になっていく。
そんな中、この国の制服事情にも新しい風が吹き荒れようとしていた。
――それがブレザーの制服。現在の音ノ木坂学院を彩るブレザーの制服は、当時に切り替えられたものであったのだろう。
そう、創立より幾年の時を経て環境を変えつつある当時。学院へ通う生徒達の家庭もまた、違ってきているのであった。
全てにおいて消え去ってしまった訳ではないが、生活において重要視されなくなっていた『お下がり』の風習。その為に制服そのものを譲り受ける生徒はいなくなっていた。
しかしこれもまた伝統であり、先人より受け継いでいくべき『教訓』として――
制服のリボンの学年固定の色分けを実施することにしたのだろう。
学年で色を固定する。これは軍隊の階級章の様な縦社会を彷彿とさせる役割なのかも知れない。
しっかりと縦社会である環境を作り、個人がそれを律する。その為の色分けなのだと思う。
そして、進級を機に役目を終えたリボンは下級生へと譲り渡すことが可能になる。
世代別では入替わりでしか不可能な譲り合い。それを踏まえた上での学年固定だったのかも知れない。
つまり、伝統と設立当時を配慮に入れた実施だったのだろう。
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