激突、そして明かされる真実
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をまつりあげるためだけのワンマンショーとなっているのだから。
「再会した時の兄上はまるで別人だった……何かあるとは思っていたけど、そこまでだったなんて」
「待ってくれ、それじゃああの……前回のホウエンリーグ決勝戦も?」
「ああ、全ては最初からバトルの筋書きや台詞まで決められていた。俺は役者ではないというのに」
自分が旅立つ前に見て心躍らせたシリアの試合。それもすべて偽りだったというのか。ショックを受けているサファイアを心配しつつもルビーはイグニスに尋ねる。
「じゃああのティヴィル団とは何も関係ないのかい?その話だと、彼らとの関係性はないと思えるけど」
「そこが俺たちにもよくわからん。最初は奴を正義のヒーローと祭り上げるためのショーかと思ったが、ネブラが調べたところ、奴らとデボンに関連性はなかった。……この前のキンセツでの一件でもシリアが現れなかったあたり、本当に無関係の可能性もある」
「はっきりしたことはわからない、か……兄上、あなたはいつの間にそんな謎多き人になったんですか?」
ルビーが呆れて肩を竦める。サファイアは、震える声で言った。
「……やっぱり信じられない。シリアのバトルが、演技だったなんて」
「サファイア君。気持ちはわかるけど……」
「だから俺、シリアに直接会って確かめる。シリアとバトルすれば、本当のことがわかるはずだ」
飽くまでシリアを信じつつも、目的はぶれないらしい。そんなところも彼らしいな、とルビーは思った。
「……ならばできるだけ早くジムバッジを集め、チャンピオンロードを超えることだ。今のお前の実力ならば、難しいことではないだろう」
「ああ……そうするよ。ありがとう、俺たちと本気で戦って……教えてくれて。まだ信じられないけど、いろいろ考えてみる」
「ふ……礼を言われるとはな。ならば餞別だ。こいつを連れていけ」
イグニスがモンスターボールを放ってよこす。その中にいるのは――前回のバトルで恐ろしき火力を見せたシャンデラだった。
「いいのか?」
「貴様はシリアと同じゴーストポケモンで制覇を目指すのだろう。だがホウエン自体にゴーストタイプはそう多くない……何より、シャンデラは本気で戦いたがっている。実力も確かなお前に託そう」
「……ありがとう。よろしくな、シャンデラ」
モンスターボールの中のシャンデラに微笑みかける。疲れているし伝えられた言葉が刺さって辛さを押し殺した笑みだったが、シャンデラは頭の炎を滾々と燃やしている。やる気十分、ついてきてくれる……ということだろう。
「それじゃあ俺たちはいくよ。ルビーももう聞きたいことはないか?」
「うん、大丈夫だよ」
ルビーが頷く。サファイアはネブラとイグニ
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