激突、そして明かされる真実
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(年月なんて関係ない。彼を支えたいという気持ちなら負けないよ)
「サマヨール、金縛り」
「デンリュウ、妖しい光!」
ファイアローが連続で燕返しを放とうとしたところを金縛りが動きを止め、出来た隙をつこうとしたところを妖しい光が撹乱して技を外させる。
「サマヨール、朧重力」
「竜の波動だ!」
サマヨールが全てを吸い寄せる球体の重力場を作ろうとするが、そこで麻痺の効果が行動を阻害した。竜の波動がジュペッタを狙い、影分身で躱さざる得なくなったところに必中の燕返しがジュペッタの体を切り裂く。
「ようやく麻痺が効いてきたようだな」
「確かにそうだけど……君のデンリュウだって鬼火に苦しめられているんじゃないのかい」
「構わん、その前にイグニスが英雄の少年を倒しきってしまえばよいだけよ!デンリュウ、妖しい光!」
「……サマヨール」
ルビーが呼びかけるが、サマヨールは身体が痺れて動けない――その隙に惑わす光がジュペッタの攻撃を外させ、ファイアローが羽休めで体力を回復する。
「これで決めるぞ、ファイアロー」
まだ光に撹乱されるジュペッタにファイアローがとどめを刺そうと一瞬力を溜める。地面すれすれを水しぶきを巻き上げながら突進するファイアローの決め技。
「ブレイブバード」
「定められた破滅の星エクス・グラビティ」
地面から飛び立とうと羽搏いたファイアローを、今までとは比べ物にならない程の強烈な重力が上から押しつぶした。飛び立つ直後で、速度が乗り切っていないファイアローは堪らず叩き潰され、その燃える羽が温水に濡れる。明らかに戦闘不能だ。
「なん、だと……?」
「これは……!」
イグニスがさすがに驚いたのか目を見開く。単純に技の威力が高かったからではない。あの攻撃は疾風の速度で振り切ることも出来たはずだ。、ファイアローが地面に降り立ち、飛び立つぎりぎりのタイミングでなければ。ルビー確信を持ったつぶやきからして、偶然とは思えない。
「上手くいったな、ルビー!」
「麻痺を受けた時はひやりとしたけどね……ご苦労様、サマヨール」
「〜〜♪」
サファイアとハイタッチ(ルビーは手をあげただけだったが)しながら褒められてサマヨールが嬉しそうに鳴く。
「貴様……いったい何をした?」
「種明かしがほしいかい?ジムリーダーさん」
「む……」
「講釈などいらん」
教える気のないルビーにネブラが渋い顔をする。イグニスは早々に頭を切り替えて一言で打ち切る。
「まさか俺が一番最初に最後の手持ちを繰り出すことになるとはな……どうやら、お前たちを見くびっていたようだ」
モンスター
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