激突、そして明かされる真実
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だ。
自分のポケモンを倒した実力を認めたのか、イグニスは初めてサファイア達に僅かな笑みを見せた。ただしそれは友好ではなく、更なるバトルへの期待を持った笑みだった。
「行くぞフャイアロー。疾風の翼翻し、音速すら越えて敵を討て」
「こい!全てを引き裂く戦慄のヒトガターーメガジュペッタ!」
「・・・一度のバトル中に二度のメガシンカを決めてきたか」
「ああ、これも修行の成果だ」
メガジュペッタとファイアロー。この前のバトルと同じ組み合わせが向かい合う。相手のポケモンの特性『疾風の翼』の恐ろしさは今でも忘れられない。
「だが、俺のファイアローについてこれるか?燕返し」
「ジュペッタ、怨虚真影おんこしんえい!」
神速の燕返しに対し、ジュペッタは己の特性『悪戯心』を活かした先制での変化技に、さらに先制技の影打ちを合わせる。その速度はファイアローに疾風の翼に劣らず、翼と影が交差した。
「ほう」
「よし……!」
拳を握りしめ、対策が上手くいったことを噛みしめるサファイア。勿論、これでようやく相手と同じ土俵に立てただけのことではあるが、それはとても大きい。ルビーはネブラに集中できる。
「サマヨール、デンリュウに鬼火」
「させん!」
「あんたの相手はこの俺だ!」
サマヨールが揺らめく炎を放つのを、火傷を負わないファイアローが割って入ろうとする。そこにジュペッタが影を伸ばし進路を防いだ。デンリュウの体が鬼火に撒かれる。
「どうやらその子はあまり素早くないみたいだね?」
「否定はせんが……貴様のポケモンを見るがいい」
ルビーがサマヨールを見ると、サマヨールの体にわずかな電気が纏わりついていた。
「麻痺状態……電磁波だね」
「鬼火を巻くと同時に、こちらも仕掛けさせてもらった。貴様の重力場はなかなか厄介なのでな」
「なるほどね……でもまだ動けるさ、そうだろう?」
「〜〜」
サマヨールののんびりとした声が、帰ってくる。まだまだやる気はあるようだ。ルビーが不敵に微笑む。
「ゆくぞデンリュウ、ジュペッタに綿胞子!」
「サマヨール、朧重力で吸い込んで、ファイアローの動きを遅く!」
互角にぶつかり合うジュペッタとファイアローに、それぞれの援護が飛ぶ。なるほど、これは――
「どうやら、どうやらどちらが上手く仲間をサポートできるかの勝負になりそうだね……なら負けないよ」
「ふはっ、せいぜい出会って一年にも満たぬ貴様らが10年来の我らのコンビネーションに勝てると思うか?」
ネブラはサファイアとルビーの仲についてジムトレーナーから聞いて知っているがゆえにそう言った。ルビーは答えないが、こう思う。
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