395部分:第五十四話 氷の世界と炎の世界その五
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第五十四話 氷の世界と炎の世界その五
「だからこそだ」
「ならばアクエリアスよ」
レダはそのカミュに対してまた告げてきた。
「その平和、我等から守ってみせるのだな」
「言われずともだ」
そうする、カミュは言うのだった。
「例え相手が誰であろうとだ」
「その言葉確かに受けた」
レダの目の光も声もこれまで以上に強いものとなった。
「ならばだ」
「むっ!?」
「このレダ、だからこそここで貴様を滅ぼす」
言いながらその炎にさらに小宇宙を込めていくのだった。
「この漆黒の炎でな」
「そうか。炎にさらに己の力を込めるか」
「どうだアクエリアスよ」
そうして炎に己の小宇宙を込めながらまたカミュに対して問うてきた。
「このベリアルのレダの炎は」
「確かにかなりのものだ」
それはカミュもまた認めるものだった。これについては先程と同じであった。
「しかしだ」
「しかし。どうしたというのだ?」
「それは私も同じこと」
こう言うカミュであった。
「このアクエリアスのカミュの氷もまたな」
「それではだ。貴様の氷もまた」
「その通りだ。見るがいい」
ここで実際に彼もまたその放って氷に対して己の小宇宙を込めていく。すると彼の氷の嵐もまたその力を増していくのであった。
「この私の氷の強まりをな」
「ふん、確かに見事なものだ」
レダの炎が黒い渦ならばカミュの氷はさしづめ青い嵐だった。渦と嵐が二人から放たれそのうえでせめぎ合っているのである。
「貴様の氷もな」
「さて、どちらが勝つか」
カミュはその氷を何時の間にか両手を重ね合わせて放っていた。本来は右手だけで放つそのダイアモンドダストを両手で放つ形となっていたのだ。
「私の氷と貴様の炎、どちらかがな」
「さてな」
レダは不敵な、楽しむ様な笑みと共に彼の今の言葉に応えてそのうえで言うのだった。
「先程は私が勝つと思っていた」
「そうなのか」
「だが。今はだ」
ここでレダは己の言葉を変えてきたのであった。その言葉は。
「わからない」
こう言うのだった。
「こうなってはな。どうやら我々は真の意味で実力が伯仲しているようだな」
「我等もまた千日間戦争となるということか」
カミュは再び千日間戦争という言葉を口に出した。
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