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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五一話 乱入
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機、正直信じられないレベルだった。

『アルゴス小隊下がれ、これ以上我が国の機体で醜態を晒すな。』

 ユウヤの吹雪の前に立つ蒼のF-4からの通信、それと同時に機体ライブラリーを照合し終えた吹雪が機体情報を表示した。

『……F-4Jカイ・ズイカク――――インペリアル・ロイヤルガード!?』

 日本帝国斯衛軍、将軍家と日本帝国本土の防衛を主任務とする独立軍。なぜ、そんな存在が此処に、という疑問と横やりを入れ尚且つ自身にとって侮辱ともとれる言葉を投げつけてきたその機体を睨む。

『聞こえんのか?通信機の故障でもあるまい……ああ貴様の耳のほうが壊れてるのか?』
『随分と好き勝手、ここは俺達の受け持ちだ部外者はすっこんでろ。』

『先ほど言った、醜態を晒すだけの貴様に我が国の機体に乗る資格などない。
 機体か衛士かどちらの不調かはしらんが、詰まらん我を通して犬死するのが米軍流なのか?……素直に退け、此処は我々が引き継ぐ。』


 一々厭味ったらしい、そんな感想を持ちながらも告げられた言葉に奥歯を噛み締めるしかできない。

『アルゴス小隊各機、司令部より入電です。日本帝国斯衛軍(ジャパニーズ・インペリアルガード)に担当を引き継ぎ後退せよとのことです。』
『一体何だってんだよ!!』

『おいおい、一体どうなってんだ?』
『……でも、正直助かったわ。今の状態では確かにまともな戦績なんて残せないわ。』

 CPからの通信、アルゴス02は憤慨と03は疑問を投げかけるが04のステラだけは冷静に戦況を分析していた。
 4名中3名は今回が初の搭乗となる機体で操作に大きなネガを有しており、連携も全然できていない。しかもユウヤに至っては実戦機動すらおぼつかず小隊指揮どころではない。

 戦場で不確定要素が入れば素直に退く、それは戦場の基本中の基本だ。
 だが、ユウヤ・ブリッジスは引けない。日本機を操れず退くなど自分のプライドが許せない。日本機に首を折るなど出来るハズもない。


『巫山戯んな!はいそうですかって納得できる訳ねぇだろ!』
『――――そうか。詰まらん男だな貴様。』

 その時、敵味方識別装置(IFF)が解除されロックオン警報が鳴り響いた。

『何を!?』
『そこで寝ていろッ!!』

 衝撃、次の瞬間機体のシステムが停止した。そして網膜投影に表記された撃破判定の赤文字。

 シミュレーターと実機稼働を組み合わせた演習システムJIVESが機体に大破級のダメージがあったと判定し吹雪の機能を停止させたのだ。
 機体ステータスは頭部及びコックピットへの致命的損傷――――長刀の一撃により吹雪が兜割にされたのだった。

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