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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第五一話 乱入
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ないのか!?』

 始まった模擬戦、その戦闘にある吹雪を駆るユウヤはその挙動を制御しきれていなかった。
 そもそもに於いて近接戦闘を常に前提に於く日本帝国の機体は反応速度を重視し機体の遊びを極限まで削り取っている。

 機動砲撃戦を主軸に於いた米軍機とは反応速度係数が段違いだ―――だが、それは所詮は慣れの問題。真の問題は別にある。

『くっ照準がぶれる…!!』

 激しく揺れる機体、まるでアル中の照準だ。そんなものでは到底まともに銃撃など出来るハズもなく目標の要撃級に軽傷しか与えられない。

『ちぃいい!!』

 吹雪の機体が着地する、途端にたたらを踏む。跳躍ユニットを即座に再点火、噴射滑走を行う―――しかし、ど素人のスケートの様にフラフラと頼りない挙動で如何にか要撃級の攻撃を回避するモノのそちらに手いっぱい、かろうじて反撃するも集弾性の低下した状態では到底致命へと至らない。

『どうしたんだユウヤ!酔っぱらってんのか!?』

 反してタリサの駆るもう一機の吹雪は不慣れゆえの多少の大げさな挙動とその修正に追われてはいるモノの軽快な運動性を発揮して次々とBETAを撃破して行っていた。

『おいおい、どうしちゃったんだ先生?』

 お道化た声、イタリア軍衛士のヴィンセントの駆るF-15ACTVが複数のスラスターを連動させた機動にて機動砲撃戦を仕掛ける。
 彼の母国であるイタリアではEF-2000の実戦配備が進んでいる。格闘性能と機動性能何方を重視するかの違いはあれど大まかな仕様が似通っている為か高い親和性を見せる彼の操縦―――ロケットモーターを多用した多段階的な加速を多用するタリサの操縦とはかなり違う。

『機体トラブルかしら?』

 アメリカ軍から供与されたF-15Eストライクイーグルを扱うステラ。此方はヴィンセントのF-15ACTVがかき乱した敵の陣形に的確な狙撃を行い確実かつ堅実に敵を撃破して行っている。

『チョビ!なんでお前こんなの扱えるんだ!?』
『ん?結構微妙な誤差あって全然扱えてないよ!でもま、F―15ACTVにちょっと近い感じはあるかな。』

 乗り手の不慣れ、そして機体側の自己学習機能が学習途中であるため効力を発揮していないことによる未慣熟。
 それは確かに存在するのは分かるが、自分もその点においては全く同じはずなのに実戦機動すら覚束ない自分とは雲泥の差。

 其処にタリサ、アルゴス02のF-5ACTVに似ているという言に解決の糸口を求めようと脳内でシルエットを重ねてみるが―――共通項は見いだせなかった。


『アラートはなし、機体が正常だってのか!?』

 ならば自機の不具合かと思ったが自己診断プログラムは問題なしを告げているし、ヴィンセントという凄腕の整備士があ
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