Track 4 ともに目指す場所
活動日誌19 ベイビー ・ めいびー ・ コイのぼたん! 3 『まきりんぱな』
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っているから所狭しと、練習の時に感じたことや考えたことの走り書き――まぁ、他の人から見たら落書きに思えるんだろうけど。
そんなものが書かれている。
たぶん真姫さんはソレを見て微笑んだり、吹き出し笑いをしていたのだろう。
そう、だからキチンと清書して別のノートに書いたのに――緊張して練習用のノートを渡していたのだった。
本当に緊張していたんだよ? だって、自分達の作詞を見てもらうんだもん。
だから緊張のあまり、私達は誰もノートの違いに気づかなかったんだよね。
だけど真姫さんが次のページを捲って真剣に読んでいることで、亜里沙と涼風は違いに気づいた――渡した本人はまったく気づいていなかったんだけどね。
それを私に教えようと脇腹を小突いていたんだろう。
そして、それが練習用のノートだと気づいた私達は『もう1つの見せられない理由』を思い出して、恥ずかしい気持ちが充満していたのだった。
「……ねぇ? 凛、花陽――ちょっと?」
「なに、真姫ちゃん? ……」
「どうかしたのかニャ? ……」
私達が顔を赤らめながら真姫さんを見つめていると、真姫さんがノートから目を離さずに、私達の隣に座る凛さん達に声をかける。
――あっ、凛さんはノートを渡した時に解放されて、私の隣に逃げてきたんだよ。
呼ばれた凛さん達は真姫さんの方へと近寄った。そんな2人にノートを見せる――2人にわかるように捲る仕草をする真姫さん。
2人は真剣な表情でノートを捲り、2ページ分を見つめていたのだった。
「……どう?」
「うん、良いと思うよ?」
「とっても良いニャ!」
「そうよね? ……読ませてもらったわ」
「「「――は、はい!」」」
「それじゃあ――」
ノートを見つめていた2人に、真姫さんが優しく声をかける。その言葉に満面の笑みを溢して答える2人。
そんな2人に向かって微笑みながら言葉を紡いだ真姫さんは、私達の方を向いて読み終えたことを伝える。
私達は緊張しながら返事を返す。そんな私達に優しい微笑みを浮かべて――
「この『新しい詞と、もう1つ』に曲をつけることにするわね?」
そう言葉を繋いでくれた。
真姫さんの言った『新しい詞』と言うのは、昨日のライブで歌った曲。
それをオリジナルの歌詞に仕上げたもの。
あっ、元々オリジナルではあったんだけどね? あくまでも『替え歌』だったって話。
実は替え歌を書き終えて、この曲で練習していた――まぁ、別にライブで披露しようとは考えていなかったんだけど。
最初は真姫さんに曲を作ってもらう『課題』として書いたものだった。
だけど、書き終えた時にね? これで良いのかなって思ったんだよね。
ほら? あくまでも真姫
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