Track 4 ともに目指す場所
活動日誌19 ベイビー ・ めいびー ・ コイのぼたん! 2 『まきりんぱな』
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
そして花陽さんは、おば様が花陽さん達を相手に、高い頻度で『〜のついでに〜』と言う言い方をするって話をしてくれた。
真姫さんのお父様は『西木野総合病院』の院長先生。
おば様は院長夫人であって、女医さんなんだよ。
だからなのかな? 1日に大勢の患者さんや色々な人達と応対するから、時間短縮と仕事の効率を上げる為に合理的な考えで身についた癖なのかも? なんてね。
つまり真姫さんの「ついでに呼んで?」は、おば様譲りだったのかな?
まぁ、そうだとしても、そうではないにしても、何のついでかが理解できない話だったけど。なんてね。
でも、真姫さんは本当に花陽さんと凛さんを名前で呼びたかったから、おば様の真似をしたんだと思う。
せっかく同じメンバーとして活動することになったんだしさ?
花陽さんと凛さんが仲良く名前で――まぁ、凛さんの場合は愛称で呼んでいるんだけど。
自然と呼び合っているのに、自分だけが他人行儀なのがイヤだったのかも。
2人が羨ましかったのかもね?
私達の場合は、私の方から『涼風』って呼んじゃったんだけど。たぶん、苗字で呼んでいたら涼風の方から「名前で呼んでほしい」って、言ってきたんだろうなって思った。
だから、きっとその時が名前で呼べるタイミングだと思って、聞き慣れていたおば様の口癖が咄嗟に出ちゃった言葉だったんだろう。なんてね。
♪♪♪
「……それで、何しに来たのよ?」
私達を家に案内してリビング――で、良いよね!?
リビングへと通してくれた真姫さんは私達がソファーに腰掛けると、少し怪訝そうな表情で来た目的を聞いてきた。
そうなんだよねぇ? 私達はまだ何しに来たのか伝えていなかったから。
元々約束していた訳でもないんだし、花陽さん達が親友だから、無条件で招き入れただけだもん。
何しに来たのかは気になるんだと思う。
だけど、弱冠ぶっきらぼうな言い方だったことについては、真姫さんらしいから誰も気にしていなかったみたいだよ。
「あっ、うん、あのね? ……ほら、凛ちゃん?」
「……真姫ちゃんの生徒手帳を拾ったから届けに来たニャ!」
「――えっ? ……あぁ、凛が拾ってくれたのね? ありが――」
「一昨日の放課後に拾ったニャ!」
「……はぁ?」
「あっ、い、いや、そのぉ、ほ、ほら……」
「……その点については私からお説教しておいたから」
「……ふーっ。まぁ、花陽がお説教しているんなら別に良いわ? ……ありがとう」
「あはははは……」
真姫さんの問いかけに、花陽さんが答えると凛さんへと会話を振る。
凛さんは鞄から真姫さんの生徒手帳を取り出して彼女へ差し出すと、拾ったから届けに来たことを伝えた。
その言葉を聞
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ