Track 4 ともに目指す場所
活動日誌19 ベイビー ・ めいびー ・ コイのぼたん! 2 『まきりんぱな』
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いて驚きの声をあげた真姫さんだったけど、実物を見て納得をしながら受け取り、拾ってくれたことへのお礼を伝えようとしたんだけど――
凛さんが正直に、一昨日に拾ったことを話しちゃうもんだから、怒気を込めた口調で聞き返していた。
さっき花陽さんにも同じ事をされたのに、再び繰り返す結末――いや、相手は真姫さんだもん。
凄みは花陽さんの比ではないと思う。
そう、お姉ちゃんを叱る海未さんなのだろう。なんてね。
まさに蛇に睨まれた蛙ならぬ、真姫さんに睨まれた凛さん――なんて書いていたら、私が蛙になっちゃう気がするんだけど?
でも、少しは怒られてみたいかな? って思うかも。
い、いや、別にM気質とかソッチの意味じゃないよ?
真姫さんにしろ、海未さんにしろ――絵里さんもかな?
たぶん本当に好きな相手にしか本気で怒らないんだと思うから。ちょっと羨ましかっただけ!
そんな風に睨まれた凛さんは、しどろもどろになって隣の花陽さんに助けを求めていた。
花陽さんは苦笑いを浮かべて凛さんのフォローをする。
涙目になっている凛さんと、苦笑いを浮かべる花陽さんを見つめていた真姫さんは、大きくため息をつくと呆れた表情で凛さんに許しを与え、そして笑顔を浮かべて再びお礼を伝えていた。
真姫さんの許しを得た凛さんは、安堵したように乾いた笑いを返すのだった。だけど――
「……と、ところで、中は、その……み、見ては……いない、わよね?」
「中? だって、中見ないと誰のかわからな――」
「学生証の面じゃなくて裏の方……」
「裏? ……凛ちゃん、どう? ……って、凛ちゃん?」
「――な、な、なにか御用かニャ?」
「――ッ! ……ほ・し・ぞ・ら・さぁーん?」
「ま、真姫ちゃん、なんか恐いニャ……」
「……そうよねぇ? 学生証の面だけ見ればぁ? 誰のかなんてぇ?? わ・か・る・わ・よ――」
「そ、そうニャ! 学生証の部分しか見ていないニャ!」
「……そう? なら良い――」
少し顔を赤らめた真姫さんが、唐突に聞いてきたのだった。
その言葉に疑問を持った花陽さんは聞き返すんだけど――ほら? 確かに中を見なければ、誰のかなんてわからないんだし。
だけど、その言葉を遮って真姫さんは裏面を見たのかと訊ねる。
花陽さんはキョトンとした表情で、凛さんに真相を聞こうと視線を向けた。
実際に、真姫さんの生徒手帳だってことは凛さんが教えてくれた訳だしね。
だけど、視線を誰にも合わせずに――冷や汗タラタラ、ただひたすら壁をキョロキョロと眺めている凛さんの態度に、疑問を感じて話しかけてみた。
そんな花陽さんの言葉に驚いて、凛さんは未だにキョロキョロと視線を誰にも合わせず、少し焦り気味
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