第二十八話 長崎での生活その十二
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「するかも知れないわね」
「相手いるの」
「前から言ってたでしょ、付き合ってる人もね」
「そういえば言ってたわね」
「いるから」
だからというのだ。
「そろそろともね」
「考えてるのね」
「そうよ、だからその時はね」
「どうするの?」
「まだ考えてないわ」
そこまではというのだ、結婚してからのことは。
「具体的にはね、けれどね」
「それでもなの」
「私は貴女と一緒に住むわ、それで彼にもね」
結婚を考えているその相手とも、というのだ。
「信頼出来る人だから」
「私のことをなの」
「お話してね」
「わかってもらうのね」
「貴女のことを受け入れてくれて誰にも言わない人でないと」
それこそともだ、優子は言った。
「結婚出来ないわ」
「そうなの」
「だって貴女は私の妹よ」
過去弟でありそしてというのだ。
「その貴女を受け入れてくれる人じゃないと」
「一緒になれないのね」
「絶対にね」
このこともだ、優子は強い声で言った。
「それは出来ないわ」
「私のせいで」
「何を言ってるの、誰でもよ」
「誰でも?」
「自分の兄弟姉妹を受け入れられない人とは結婚出来ないわ」
「そういうものなの」
「その兄弟姉妹にもよるけれど」
この辺りは人によるというのだ。
「酷い人ならね」
「兄弟姉妹でも」
「実のそれであっても受け入れられないでしょ」
「そうよね、だからなのね」
「そうした場合は当然だけれど」
だがそれでもとだ、優子はさらに話した。
「そうでない、貴女みたいな子はね」
「受け入れてもらわないと?」
「駄目よ」
結婚相手として、というのだ。
「やっぱりね」
「そうなのね」
「だからね」
「姉さんは相手の人にそれを求めてるのね」
「貴女を受け入れてくれることをね、後は」
結婚相手に求めるもの、そのことについてさらに話した。
「普通だったらね」
「いいのね」
「そう、普通だったらね」
それでというのだ。
「いいわ」
「そうなのね」
「ええ、暴力を振るわなくてギャンブルもしなくて女遊びもしない」
「それでいいの」
「ええ、充分よ」
「それは普通じゃないの?」
暴力を振るわずギャンブルにも女遊びにも手を出さないというのはとだ、優花は自分の考えから優子に対して問うた。
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