392部分:第五十四話 氷の世界と炎の世界その二
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第五十四話 氷の世界と炎の世界その二
「寒いですね、ここは」
「やっぱりウォッカが欲しいですね」
「まあカミュ様はそんなこと言っていられる状況じゃないですけれどね」
「友を待つ時はその友と同じ姿でいる」
今度のサガの言葉はこうしたものだった。
「だからこそ我々はだ」
「ええ、それもわかってますし」
「じゃあやっぱり」
「当然飲まずに待つ」
当然の形として出された言葉であった。
「いいな」
「はい、じゃあそういうことで」
「待たせてもらいますよ」
「カミュ様をね」
こうして彼等はそのままの姿でカミュを待つのだった。そのカミュは今静かにレダと対峙していた。小宇宙だけが燃え上がっていた。
「この前は私の猟犬達を見事封じてくれたな」
「あの程度は造作もないことだ」
こうレダに返すカミュだった。
「私の氷を以ってすればな。それにだ」
「それに。何だ?」
「貴様もあれで私を倒せるとは思っていなかっただろう」
こうもレダに対して告げるのだった。
「それは違うか。どうなのだ」
「隠せはできないようだな。その通りだ」
そのことを認めもしてみせたレダだった。目はその中で鋭いままであった。
「アクエリアス、あの程度で貴様を倒せるとは考えていなかった」
「そうか。やはりな」
「そしてもう一つ言っておこう」
言葉をさらに踏み込ませてもみせたのであった。
「私の技はあの程度ではない」
「猟犬達はただの小手調べということか」
「その通りだ。それを今ここで見せよう」
「来るか」
「見よ、ベリアルのレダの炎」
言いながらその両手をかざしてみせた。そしてそのうえで。
その両手を重ね合わせ黒い炎の渦を放ってきたのであった。その技の名前は。
「ソドムインフェルノ!」
「黒い炎の渦か」
「そうだ。これならばどうだ」
技を放ったうえで言うレダだった。
「この炎、避けられるのか」
「避けずとも」
カミュは退くことはしなかった。正面からその炎の渦を見ているのだった。
その渦を見据えながら今。彼はここでもその右腕を構えたのだった。そしてあの技を繰り出したのであった。
「ダイアモンドダスト!」
「その技か」
「貴様が炎で来るのならば私は氷を繰り出すまでだ」
それで対するというのである。
「炎は氷に敗れるものだからな」
「さて。それはどうかな」
レダは今のカミュの言葉に対して不敵に笑って返すのだった。
「確かに氷は炎を封じ込める」
「わかっているようだな、それは」
「現に私は貴様の氷に我が猟犬達を封じられた」
またこのことを話すのであった。
「それはその通りだ」
「ではわかる筈だな」
「いや」
しかしであった。否定する言葉も出してみせたのであった。
「残
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