391部分:第五十四話 氷の世界と炎の世界その一
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第五十四話 氷の世界と炎の世界その一
氷の世界と炎の世界
「よし、大体終わったな」
「ああ」
「そうだな」
青銅の者達は周囲を見回しながら話していた。既に戦場に立っているインプ達はいなかった。
「雑兵だって思ってたんだけれどな」
「案外骨があったな」
「聖域の連中より強いんじゃねえのか?」
こうした意見まで出ていた。
「まあとにかくこの連中は倒したけれどな」
「カミュ様はどうなったんだ?」
「待っていることだ」
ここでバベルとオルフェが彼等の前に出て来て告げてきた。どうやら彼等も彼等の前にいたインプ達を全て倒してしまったようである。
「今はな」
「カミュ様が戻られるのをな」
「まあカミュ様だったら問題はないですけれどね」
「確かに」
彼等はそう言って特に問題視はしていないのであった。それは表情にも出ていて実にすっきりとした顔にさえなっている状況であった。
「それじゃあ今は」
「待ちますか」
「そうしておくことだ」
こう言って今やることを決めた彼等に対してサガが来て告げるのだった。
「今はな」
「あっ、サガ様」
「来られていたんですか」
「間に合って何よりだ」
今度はこう彼等に告げるサガだった。至って落ち着いた顔をそこに見せている。
「御前達も全員無事のようだな」
「ええ、まあ」
「一応敵は全部倒しましたよ」
誇らしげに笑ってサガに告げるのだった。
「それでカミュ様は今は」
「どうされているんですか?」
「ベリアルと闘っているところだ」
それを行っているというのである。
「おそらくは今はじまったばかりだ」
「そうですか」
「今ですか」
「そうだ。まさに今だ」
サガは言うのであった。
「しかしだ。この闘いに我々が入ることはできない」
「あくまでカミュ様の闘いなのですね」
「そしてベリアルの」
「その闘いに入ることは決して許されない」
動くことのない言葉だった。今のサガの言葉は。
「わかったな」
「はい、それは」
「俺達も聖闘士です」
青銅の者達もそれはわかっているのだった。彼等自身の言葉通りやはり彼等は聖闘士だからだ。だからこそ言えた言葉だったのである。
「じゃあ俺達はここで、ですね」
「カミュ様を待つんですね」
「それが一番だ。わかったな」
「ええ。そうですね」
「腹を括って待ちますか」
「待つことも務めのうちだ」
こんなことも言うサガであった。
「同志が帰って来るのを待つこともな」
「サガ様・・・・・・」
「貴方もまた」
「私もまた聖闘士だ」
彼もまたこの言葉を言うのだった。出してみせるのだった。
「わかっていなくてどうしてここにいられようか」
「そうですね、確か
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