真相を求めて
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フエンタウンジムリーダーに完敗し、目の前が真っ暗になったサファイアが目を覚ますとそこはフエンのポケモンセンターだった。
「ここは・・・ルビーが運んでくれたのか?」
すぐそばに座っていたルビーにそう聞くと、ルビーは目が覚めたんだね、と言ったあど首を降った。
「まさか。君はボクがここまで運んでくるには重いよ。ポケモンも力尽きてしまったしね」
「じゃあ・・・」
「彼だよ」
ルビーが向こうを手のひらで示す。サファイアが目線を向けると、そこには自分達を完膚なきまでに負かしたジムリーダーが壁際にもたれて腕を組んでいた。憮然とした態度で言う。
「バトルに負けて気を失うとはな」
「・・・」
「ネブラは貴様を随分と評価していた。だから少しは楽しませるやつかと期待したが・・・拍子抜けだ」
いつもなら食ってかかったかもしれない。だが今はそんな元気も気力もなかった。
「通常のジム戦に勝つ程度の実力は見受けられた。ジムバッジはそこの女に渡してある。ーーさっさと次の町へいけ」
それを言うためにサファイアが目を覚ますのを待っていたのだろう。用件を言い終えると、出口へと歩いていくジムリーダー。
「・・・待ってくれ」
「なんだ」
呼び止めると、彼は止まってくれた。
「あんた、ただのジムリーダーじゃないよな。イグニス・ヴァンダー。ホウエンリーグ四天王。シリアに最も近い男・・・そうだろ?」
「それがどうした。ただのジムリーダー相手なら負けなかったとでも言いたいか?」
「違う」
サファイアは思い出していた。旅に出る前に見たテレビの映像。シリアと戦っていたのは、正に目の前の彼だった。
「あんたの本気、凄かった。手も足も出なかった。だから聞きたいんだ。あんたはシリアと戦ったとき・・・本気でやってたか?」
「・・・」
今度はジムリーダー・イグニスが黙る番だった。静寂が通りすぎたあと、彼は語る。
「そこに勘づいたか。だがお前には、真実は受け止めきれんだろう」
「聞いてみなきゃ、なにもわからない。俺はシリアのこと・・・そして隣にいる彼女のこと、もっと知りたいんだ」
「サファイア君・・・」
ルビーが僅かに顔を赤くし、目をそらす。それはまだ打ち明けていないことがあるゆえか。
「敗者に語るつもりはない、俺は行く。・・・また来るのなら、何度でも本気でやってやる」
今度こそ、イグニスは出ていった。残されるサファイアとルビー。
「ルビー、ごめん」
「急にどうしたんだい?」
「俺・・・きっと油断してた。あの博士を倒して、ジムリーダーに認められて・・・いい気
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