真相を求めて
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たようだった。ルビーが反応する前に影がサマヨールにあたり、ダメージを与える。
「よしっ!」
「やるね。これならあのファイアローの速さにも太刀打ちできるんじゃないのかい?」
「うん、だけどこれだけじゃまだ足りない。やっぱりもっと基本からやり直さないと……いくぞジュペッタ、虚栄巨影!」
ジュペッタの体が、爪がナイトヘッドによって巨大化し、シャドークローが敵を引き裂く漆黒の刃と化す。サファイアとジュペッタの最大の攻撃に対しルビーはやはり守る、と呟いた。サマヨールの緑の防御壁が、漆黒の刃を防ぎきる。
「さすがに硬いな」
「まあ、それが取り柄だからね。でも彼の攻撃は防げなかった……さあ、もっと攻めてきていいよ」
「わかった。なら二体同時にいくぞ。出てこいオーロット、ウッドハンマー!ジュペッタ、虚栄巨影!」
「サマヨール、守る!」
二体での攻撃を、サマヨールが再び防ぐ――その時、緑の防御壁にわずかに黒色が混じったのをルビーは見逃さなかった。
「サマヨール、もう一度やってみて」
「〜〜」
もう一度守るを使うと、今度もやはりわずかな黒色が混じった……これが何を意味するのか、まだ正確にはわからなかったが。
(あの敗北は、確かにボク達の経験値になっている)
それだけは確信できた。サファイアも恐らくそれには気づいているだろう。
二人はそれからしばらくお互いの技を確認しつつ、サファイアは相手を翻弄する速さを。ルビーはどんな攻撃にも耐えきる守りを高めるべく修行を続けた。相手の熱量に耐えるために、温泉のサウナで熱さに耐えながらバトルのイメージトレーニングなんかもしたりして、たまにのぼせることもあったが。修行は順調に進んでいった。
「よし……今日も一日頑張ろう、みんな!」
「ふふ、すっかり熱くなっちゃってるね」
そんな二人を、イグニスは影から見つめて――かつての自分とネブラを思い出し、ふっと微笑むのだった。
修行を始めてから約一か月後――二人は、再びフエンジムを訪れた。そこにはイグニスと……キンセツシティジムリーダー、ネブラがいた。二人は何かを話していたようだったが、サファイアたちの姿を認めるとこちらを見る。
「……来たか」
「ふはははは!随分こっぴどくやられたと聞いたが……よもや二の舞を演じることはあるまいな!」
片方は寡黙に、片方は大仰に二人を迎える。サファイアとルビーはイグニスを見据えて言った。
「……ああ、今度は負けない。俺たちは本気のあんたに勝ちに来た」
「いいだろう。ルールはこの前と同じでいいな」
「ふ……せっかくこの俺様がいるというのにそれではつまらんな」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ