暁 〜小説投稿サイト〜
幽雅に舞え!
真相を求めて
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たようだった。ルビーが反応する前に影がサマヨールにあたり、ダメージを与える。

「よしっ!」
「やるね。これならあのファイアローの速さにも太刀打ちできるんじゃないのかい?」
「うん、だけどこれだけじゃまだ足りない。やっぱりもっと基本からやり直さないと……いくぞジュペッタ、虚栄巨影!」 

 ジュペッタの体が、爪がナイトヘッドによって巨大化し、シャドークローが敵を引き裂く漆黒の刃と化す。サファイアとジュペッタの最大の攻撃に対しルビーはやはり守る、と呟いた。サマヨールの緑の防御壁が、漆黒の刃を防ぎきる。
 
「さすがに硬いな」
「まあ、それが取り柄だからね。でも彼の攻撃は防げなかった……さあ、もっと攻めてきていいよ」
「わかった。なら二体同時にいくぞ。出てこいオーロット、ウッドハンマー!ジュペッタ、虚栄巨影!」
「サマヨール、守る!」
 
 二体での攻撃を、サマヨールが再び防ぐ――その時、緑の防御壁にわずかに黒色が混じったのをルビーは見逃さなかった。
 
「サマヨール、もう一度やってみて」
「〜〜」
 
 もう一度守るを使うと、今度もやはりわずかな黒色が混じった……これが何を意味するのか、まだ正確にはわからなかったが。

(あの敗北は、確かにボク達の経験値になっている)

 それだけは確信できた。サファイアも恐らくそれには気づいているだろう。
 二人はそれからしばらくお互いの技を確認しつつ、サファイアは相手を翻弄する速さを。ルビーはどんな攻撃にも耐えきる守りを高めるべく修行を続けた。相手の熱量に耐えるために、温泉のサウナで熱さに耐えながらバトルのイメージトレーニングなんかもしたりして、たまにのぼせることもあったが。修行は順調に進んでいった。

「よし……今日も一日頑張ろう、みんな!」
「ふふ、すっかり熱くなっちゃってるね」

 そんな二人を、イグニスは影から見つめて――かつての自分とネブラを思い出し、ふっと微笑むのだった。

 
 

 修行を始めてから約一か月後――二人は、再びフエンジムを訪れた。そこにはイグニスと……キンセツシティジムリーダー、ネブラがいた。二人は何かを話していたようだったが、サファイアたちの姿を認めるとこちらを見る。
 
「……来たか」
「ふはははは!随分こっぴどくやられたと聞いたが……よもや二の舞を演じることはあるまいな!」
 
 片方は寡黙に、片方は大仰に二人を迎える。サファイアとルビーはイグニスを見据えて言った。
 
「……ああ、今度は負けない。俺たちは本気のあんたに勝ちに来た」
「いいだろう。ルールはこの前と同じでいいな」
「ふ……せっかくこの俺様がいるというのにそれではつまらんな」
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