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『チロの物語』
『嫉妬』

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僕は子猫達に
嫉妬心を
抱いてしまう。
お母さん猫の
替わりなのに。

でも...そもそも
僕はお母さんを
知らないくせに
無理があったんだ。

僕が
お母さんを
欲しい位なのに...

そんな僕の気持ちを
流那チャンは、解って
くれたかの様に
僕をソッと
抱き上げ、胸に
優しく包んでくれた。

『チロ...頑張って
お母さん替わり
してくれてアリガト!
チロだって
お母さん欲しいのに
ごめんなぁ...
でも流那には
子猫のお母さんは
無理なんやぁ...』

僕は、流那チャンが
流す涙を舐めた。
チロチロって優しく...

『ごめんなぁ...
だってチロの
お母さん替わりにも
なれんかったし...
流那には駄目なんよ』

そんなことない!
流那チャンは僕に
たっぷり『特別』を
くれてたんだよっ!

涙が止まらない
流那チャン...

僕は悔しかった。
人間同士なら
僕が流那チャンを
包んであげるのに!

そうだ...
子猫に嫉妬心を
抱いたのが
間違いだったんだ。

僕は本当の
お母さんを知らない。
でも流那チャンからの
愛情は貰ってる。
嫉妬なんて
しちゃ駄目だ!!

ごめんね流那チャン。

僕もっとチャント
お母さん替わり
頑張る!

『チロ、なんか...
大人っぽいね!(笑)』

僕がキリッとした顔を
見せると流那チャンは
笑ってくれた。

今はその笑顔が
僕の救いだって
流那チャンは
解ってないよね。

僕、頑張るからね♪
だから流那チャン
泣かないでねっ!!

もう誰にも
嫉妬なんてしない。
流那チャンからの
愛情は解ってた。
自信もって
僕は僕らしく生きる!



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