第5話・改訂版
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おっ!そういえば、クソ女の話で面白いのもあったな」
駄狼は今回の件で派閥内に味方が居ないと察したのか、今度は別の話を今まで以上に大きな声で始めた。
「最後のミノタウロスを倒したのはクソ女らしいんだが、そのクソ女に倒される直前までミノタウロスの野郎、駆け出し冒険者を襲ってたらしいぜ。しかも、クソ女は助けた冒険者に逃げられてやんの。ちなみに、この情報のソースはアイズな」
「……私、逃げられたなんて言ってません」
「けど、駆け出し冒険者がクソ女に助けられたって言ってただろうが。それに俺が着いた時、あの場には俺とクソ女、アイズの3人しか居なかった。
つまり、クソ女は助けた奴に逃げられたってことだろ?助けた相手に逃げられるとか超笑えるだろ?ぎゃはははは」
「ベート、いい加減その口を閉じろ。耳障りだ。さっきも言ったが、ミノタウロスを逃がしたのは我々の不手際。その女冒険者殿と駆け出し冒険者殿に謝意を表すことはあれ、酒の肴にする権利などない」
「おー、おー。流石誇り高いエルフの王族様だけのことはあるな、ババァ。雑魚を擁護してやるなんて、慈悲深過ぎて俺には真似できねぇよ。
けどな、どれだけ擁護しようが雑魚は雑魚だろうが!それに自分を助けた相手からも逃げちまう様な臆病者に冒険者の資格なんてねぇっての」
駄狼が小馬鹿にした様にそう告げた瞬間、私の中で何かがキレる音がして、それと同時に隣に座っていたベル君が立ち上がり、悔し涙を浮かべながら店から飛び出して行った。
「ベ、ベルさん!?」
「なんや?食い逃げか?」
「豊穣の女主人でやらかすとか、根性あり過ぎでしょ」
ベル君が飛び出して行ったことで店内が一時騒然となる。けど、私にとってそんなことは気にもならなかった。今の私が気にすることは、ベル君を馬鹿にした駄狼にどう制裁を下すか、ということだけだったからだ。
こんなにキレたの1年振りだろうか?アポロン・ファミリアの冒険者にヘスティア様が馬鹿にされて以来な気がする。
「………ミアお母さん。これ、お勘定です。あと、セミフレッドは持ち帰り用に包んで下さい」
「………程々にしときなよ」
私は目の前にいるミアお母さんに100,000ヴァリス入った巾着袋を渡し、セミフレッドを包んで貰ってる間に用を済ませることにした。
私は腰から吊るしている封印状態の『流刃若火』の鞘を左手で掴み、ロキ・ファミリアの席へとゆっくりと近付いて行く。
その途中、顔見知りであるフィンさんとリヴェリアさん、ガレス=ランドロックさんの大幹部が私の存在に気付き、驚いた顔をしていたけど、私は会釈することもなく駄狼へと歩を進めた。そして―――
「
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