第5話・改訂版
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他の料理同様存分にその味を堪能させて貰う為、私とベル君が四層構造のケーキにスプーンを入れて掬い取り、口に運ぼうとした瞬間―――
「そう言やぁ、アイズ!お前、あのことはフィン達に言ったのかよ!?」
「あのこと?」
「何々?何の話?」
ロキ・ファミリアの席から下品極まりない酔っ払いの声が聞こえてきた。発生源は私が5階層で伸した狼人で、酔っ払いの駄狼は周りの迷惑も気にせず大声で話を続けた。
「あれだよ、帰る途中で逃がしたミノタウロスを追った時の話だ!最後の1匹を倒したっていう冒険者が、お前に剣を向けてただろうが!?あのクソ女のことはちゃんと報告したのか?」
「ミノタウロスって、17階層で返り討ちにしたら逃げ出した奴らだよね?ってか、LV.5のアイズに剣を向ける冒険者が居たの?」
「しかも、相手は女冒険者?」
「そうだよ。5階層まで逃げたミノタウロスを俺達の代わりに倒したみてぇなんだが、あのクソ女はアイズにまで剣を向けてたんだよ。しかも、俺のことまでボコりやがったんだ!所属してる派閥に抗議するべきだろう!?」
「ぷっ!ベートってば、女冒険者にボコられたの?油断してたとしても情けなさ過ぎでしょ?」
「っていうか、LV.5のアイズやベートと対峙しようとするなんて、相手は同格以上の冒険者?」
「LV.5以上の冒険者で女となると、相手はかなり限られてくるな。有名所はヘファイストス・ファミリアの【単眼の巨師】の椿とヘスティア・ファミリアの【鎮守】のムネチカ、【狂姫】のアトゥイといった所か?」
「あの、ベートさんの言い方は語弊があります」
「あ゛ぁ゛!?俺が何を誤解してるってんだよ!!?」
「ちょっと落ち着きなよ、ベート。……で、ベートが何を誤解してるって言うんだい?アイズ」
「えっと、まず私が剣を向けられたのは、声も掛けずに後ろから近付いたのが原因」
「…………そういうことなら相手の冒険者を責めることはできんな。背後から何者かが声も掛けずに近付いてきたら、警戒するのも仕方あるまい」
「そうじゃな。で、ベートがボコられたのは何でじゃ?」
「それはベートさんが彼女を雑魚呼ばわりしながら肩を掴もうとしたから」
「………ベートの件も完全に自業自得じゃないか」
「…………無様だな。というか、相手の女冒険者殿に感謝することはあれ、非難する権利など我々には無い」
「それ、本気で言ってんのかよ?フィン、ババァ。てめぇらが俺と同じ立場なら納得するのか?俺は納得できねぇ」
「自分に非があればそれを認め、謝意を表す。それが大人の対応というものだ」
「不当な暴力で眷属が傷付けられたっていうなら、それ相応の報復はするけどね」
「大人の対応、ねぇ。………
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