暁 〜小説投稿サイト〜
剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
第5話・改訂版
[1/6]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話



【視点:テレシア】



私とベル君が豊穣の女主人に来て早数十分。既にミアお母さん特製ビーフシチューまで食べ終え、コース料理最後のデザートが出て来るのを待っていると、出入り口付近の客が急にざわめき出した。


「おい、マジかよ……」
「あのエンブレムはロキ・ファミリアだよな?」
「ああ。主神と幹部7人が勢揃いだな。けど、別に驚くことでもねぇだろ?大規模遠征から帰って来たって、今朝から冒険者の間で噂になってたし」
「はぁ?大規模遠征から帰って来てることを知ってても、ロキ・ファミリア―――しかも、その主神と幹部に酒場で鉢合わせたら驚くだろ、普通!?」
「お前、この酒場を利用したことが殆どないだろ?ロキ・ファミリアってのは大規模遠征から帰還すると、主神と幹部を含めた十数人がいつもここで打ち上げしてんだよ」
「………マジ?」
「マジ。だから、ロキ・ファミリアの幹部に憧れてる常連客は大規模遠征からの帰還を耳にすると絶対にここに来るんだよ。一目見ることができるからな」
「………幹部7人が勢揃いってことは、あの中にいるのか?噂の【剣姫】が――」
「【剣姫】?ああ、あの金髪の嬢ちゃんがそうだよ。【剣聖】に次ぐオラリオ次強の女剣士――いや、【剣聖】はオラリオ最強の魔導騎士だから、【剣姫】が実質オラリオ最強の女剣士って所だろうな」


聞こえてくる会話に少しだけ耳を傾けながら横目で見てみると、ロキ・ファミリアは私とベル君の位置と丁度対角線上にある席へと案内されていた。

そして人数分の飲み物が届くと、幹部を含むロキ・ファミリアの冒険者全員が席に着いている中、1人――いや、1柱の神物が席から立ち上がった。


「よっし!皆、迷宮(ダンジョン)遠征大変やったやろ!ご苦労さん!!今日は宴やから、遠慮せずに食って、飲むんやで!!」


音頭をとった神物はロキ・ファミリアの主神である神ロキ。酒好き、女好き、セクハラ魔のオヤジ女神で、約4年前から会う度に私をヘスティア・ファミリアから引き抜こうとする鬱陶しい神です。

神ロキの音頭が終わるとロキ・ファミリアの人達はジョッキをぶつけ合い、殆どの人が運ばれて来る料理や追加のお酒を冒険者らしく豪快に口の中へと運んでいた。

まぁ、中には貴族っぽい上品な食べ方をしている人もいますけど。ロキ・ファミリア団長の【勇者(ブレイバー)】フィン=ディムナさんとか、副団長の【九魔姫(ナイン・ヘル)】リヴェリア=リヨス=アールヴさんとか、【剣姫】アイズちゃんとか。


「はい、お待ち遠様!特製セミフレッドだよ!!」


っと、私がロキ・ファミリアを観察している間にデザートができたみたいですね。ベル君にとっては初めて、私にとっては3ヵ月振りのミアお母さん特製デザートです。

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ