第4話・改訂版
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が、どうせなら歓迎会をしましょうか。ベル君、今日のお勘定は私が持つので好きなだけ注文して下さい」
「えっ?ええっ!?」
「流石、深層に単独で挑んでる特級冒険者様は言うことが違うね!そういうことだから坊主、じゃんじゃん注文してくれよぉ!シルからももの凄い大食漢だって聞いてるよ!!」
「え゛っ!!?」
大食漢など言った記憶が無かった僕が、度肝を抜かれながらもシルさんの方に視線を向けると、当のシルさんは僕からさっと目を逸らした。
「ちょっ、僕は大食漢なんかじゃないですよ!?」
「えへへ」
「か、可愛いですけど、「えへへ」じゃないです!?」
くっ!初めて出会った時は良質街娘とか思っていたけど、その実態が魔女だったとは!!
「どれだけ可愛い仕草をされても、僕は大食いなんてできませんからね!?」
「アアッ、朝ゴ飯ヲ食ベナカッタセイデ力ガ出ナイー……」
「ちょっ、棒読み!超棒読みですから!!しかも、超汚い!!」
この人、魔女を通り越して悪女だよ。誰だよ、良質街娘なんて言った奴。バカだろ?言った奴、絶対バカだろ!……おっと、それ言ったの僕でした!!
「ふふっ。安心して下さい、ベルさん。大食いして欲しいというのは冗談です。ミア母さんはお残しを許さない人なんで、食べられる範囲で奮発してくれたら十分です」
「た、食べられる範囲で、ですか?」
「はい。食べられる範囲で、です。あっ、メニューはこちらになります。お決まりになったら声を掛けて下さい。それではごゆっくりどうぞ」
シルさんは僕とテレシアさんにメニュー表を渡すと、他のお客さんの所に行ってしまった。店内の利用客の数や忙しなく動いているウエイトレスさん達を見る限り、この酒場がかなり人気の店っぽいので仕方がない。
……さて、それじゃあメニューを決めようか。本拠地で作れば50ヴァリスでお腹を満たせるけど――って、パスタが1皿300ヴァリス!?
高ッ!大衆食堂の定食でも100ヴァリス位なのに、パスタ1皿で定食3食分相当って、どんだけだよ!?
(こんな高いもの注文してもいいのかな?)
そんなことを考えながら、テレシアさんの方を見てみると―――
「特製カルパッチョと特製カルトッチョ、特製ビーフシチューとデザートに特製セミフレッドでお願いします。あ、あと神酒も」
「はいよ!神酒1つに特製カルパッチョ1つ、特製カルトッチョ1つ、特製ビーフシチュー1つ、デザートに特製セミフレッドだね!!」
テレシアさんがそう言うと、女将さんと思しきミア母さん(?)がカウンターの奥――厨房と思しき場所へと言ってしまった。
(特製って何が特製なんだろう?)
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