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剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
第4話・改訂版
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まで気付かなかったっていう間抜けっぷりで、そのことは今でもここの常連冒険者には語り継がれてるんだぜ」
「あの時の光景は正に地獄絵図だった。LV.2以上の冒険者15人が1分位で血染めになってたからな。その場を目撃した神々が【鮮血のブート・ジョロキア】って即席の二つ名を【剣聖】に与えた位の地獄絵図だったんだ」
「………で、結局誰が【剣聖】なんだ?」
「今、ウエイトレスに案内されてる―――」
「白髪のガキが【剣聖】なのか?」
「アホか!黄緑色の服を着た町娘っぽい赤髪の娘の方だよ」
「………は?」
「1年前は15歳って言ってたから、今は16歳か?たった4年でLV.9に登り詰めたのが小娘ってこともあって、それが気に入らなかったからヒュアキントスも喧嘩を売る様なことを言ったんじゃないか?
まぁ、『鮮血のブート・ジョロキア事件』以降は見た目で侮って、【剣聖】に喧嘩売る様な馬鹿はこの酒場の利用者から居なくなったけどな。
ちなみに【鮮血のブート・ジョロキア】ってのは、怒り狂って振り乱された彼女の赤髪が唐辛子のブート・ジョロキアを彷彿させたからだそうだ」
「……それじゃあ、【剣聖】と一緒にいる白髪のガキは何者だ?」
「さぁな。【剣聖】のサポーターとかじゃねぇか?」


……ギルド本部でもそうだったけど、やっぱりテレシアさんのことを知らない人って、このオラリオには居ないんだな。顔は余り知られてないみたいだけど。

というか、サポーターと間違えられるのは軽く凹む。いや、自分が無銘の駆け出し冒険者って言うのは理解してるんだけどね。


「……ベル君、周りの雑音なんて気にしないで下さい。ベル君は僅か半月で敏捷値がGに到達した特別な子なんです。だから、もっと自分に自信を持って」


僕が軽く凹んでいると、テレシアさんが僕の手を引きながらカウンター席まで誘導し、慰めの言葉を掛けてきた。冒険者なのにサポーター扱いされるのも情けないけど、これもこれで情けない気が……。

僕がそんな負の思考連鎖に囚われそうになっていると、目の前に冷えた水の入った木製コップがドンッと置かれた。


「3ヵ月振りだね、テレシア嬢ちゃん!余りに来ないから、迷宮(ダンジョン)でくたばったのかと思ってたよ!!」
「アハハハ!3ヵ月振りです、ミアお母さん!今、私が踏破しようとしてるのは61階層ですよ。そんな所で私がくたばったら、それ以降の階層はどこの派閥(ファミリア)も踏破できなくなっちゃいますよ?」
「はっはっはっ!そりゃ、そうだ。で、そっちの兎みたいな坊主はシルの客かい?」
「はい。あと、私の後輩でもあります」
「へぇ〜。ってことは、ヘスティア・ファミリアの団員か。今日はその坊主の歓迎会も兼ねてるのかい?」
「ん〜、今日はそんなつもりではなかったんです
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