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剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
第4話・改訂版
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「ベルさんっ!来てくれたんですね?」


入り口付近に偶然居たシルさんが入店早々に声を掛けてきてくれた。


「……はい。やって来ました」


酒場という所を初めて利用する僕は店内の雰囲気――給仕スタッフが全員女性という男の理想郷といえる空気に呑まれ、少しばかり間を開けてしまったものの、シルさんに返事を返した。


「3ヵ月振りです、シル」
「あっ、テレシアさん!何でテレシアさんがベルさんと一緒に?」
「私とベル君は同じ派閥(ファミリア)眷属(かぞく)なんです。で、今日はベル君に誘われて豊穣の女主人に来ました」
「そうなんですか。ということは、今日はお客様ですね?」
「はい」
「えっ?今日はお客様って、一体どういう―――?」
「ベルさん、知らないんですか?テレシアさんは偶にうちの酒場で歌sy―――」
「その話はまた今度にしましょう。ベル君もこの酒場を利用していれば、いずれ知ることができることなんですから」
「……それもそうですね。テレシアさんの秘密を知る為にベルさんが通ってくれれば、私のお給金も増えますし」


どうやらテレシアさんには色々と秘密があるみたいだ。気にはなるけど、テレシアさんもシルさんも今は話す気が無いみたいだから、無理に聞き出すような真似は止めておこう。


「お給金といえば、今日はアトゥイさん達が居ませんね」
「アトゥイ達は今、実家に帰省してたりしていて居ないんです。というか、シルは私達のことを金蔓と思っていませんか?」
「そんなことありませんよ。それじゃあ、お席まで案内しますね。お客様2名入りまーす!」


シルさんは澄んだ声を張り上げると、僕とテレシアさんをカウンター席へと案内してくれる。その途中、冒険者と思しき人達の会話が聞こえてきた。


「おっ!今日は【剣聖】アストレアがやって来たな。ん?【鎮守】や【陽炎】、【狂姫】達は一緒じゃねぇのか?」
「えっ!?【剣聖】アストレア?あのLV.10の最強の冒険者?どいつだ?」
「てめぇ、冒険者の癖に【剣聖】アストレアの顔を知らねぇとか、モグリかよ?」
「いやいや。【剣聖】の顔を知ってるのなんて、ギルド職員とここの常連位じゃね?第二級冒険者でも知らない奴がいたんだからよ」
「ああ、1年前のアレな?」
「1年前のアレ?アレって何だ?」
「いや、1年前に私服姿の【剣聖】にちょっかい掛けて、伸された馬鹿がいたんだよ。しかも、そいつは第二級冒険者」
「確か、アポロン・ファミリアのヒュアキントスだったか?」
「そうそう。嫉妬か何か分からんが、当時LV.9――しかも、私服でここに来ていた【剣聖】の前で【剣聖】とその主神の悪口を言って半殺しにされたんだよな。
しかも、自分を殴った相手が【剣聖】だと殴られる
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