暁 〜小説投稿サイト〜
魔術師にとって不利な世界で、俺は魔法を使い続ける
3
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
達した。頭の中に詳細なユグドラシル第一区の地図を広げる。これだけはホームページで公開されており、何度もチェックした甲斐があったと言えるだろう。
 それによると、中央にあるこのホームタウンとも呼ぶべき《ヴァルガット・ストリート》の南西およそ3キロメートル離れた場所に《ノルド》という名の小さな村が存在する。この手のRPGでは、これらの住居などのあるエリアは全てモンスターの不可侵エリアに指定されている上、その周辺は比較的敵が弱い。ならばここで大勢のプレイヤーが立ち往生している間にとっとと見捨て、カチ合わないように人の少ない場所に移動するのが典型だ。
 しかし――いくら一番初っ端だとはいえ、死への恐怖を振り切って村へと走り切る事が果たしてできるだろうか?
 だが、ここでたむろしていては騒いでいるプレイヤー群とそう変わらない。決意してゼロへと呼び掛ける。
「よく聞け。ここから南西に真っ直ぐ行くと、一つの村がある。そこならしばらくは安全だし、経験値だって稼ぎやすい。俺は今からそこに全力ダッシュで向かう。お前も来るか?」
「無論だ。オレはお前の考えに乗る。」
 即答し、拳を作って前に突き出すゼロに、俺も拳をぶつけて応える。一番初めにできた戦友だ。途中の戦闘で力尽きさせるわけにはいかないと、初のプレイヤー仲間として誓った。


 それからしばらくして、《ノルド》に二つの人影が入村した。

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ