第3話・改訂版(一部編集)
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より1個少なくなっていることが判明した。巾着袋の紐が緩んでいた為、魔石が落ちたのはそれが原因だろう。
「す、すみません。それ、僕のみたいです。拾って下さって、ありがとうございます」
「いえ、どういたしまして。……こんな朝早くから魔石を持ち歩いているということは、もしかして一晩中迷宮に潜ってたんですか?」
「これは昨日換金し忘れた魔石で、これから迷宮に潜る所なんです。今日も夕方まで潜ろうかと思って……。あっ!店員さんって、この辺りのお店とか詳しいですか?」
「え?はい。まぁ、それなりに詳しいとは思いますけど」
「よかったら安いお弁当屋さんとか教えて貰えませんか?僕の所の派閥、神様もバイトしてる零細派閥だから、お昼ご飯を安く済ませたいんですよ」
「……ふふっ、ちょっとここで待っていて下さいね」
店員さんはそう言うと、すぐ近くのお店―――豊穣の女主人という酒場(?)へと入って行った。そして、ものの数分で戻って来た彼女の手には1つのバスケットが―――
「これ、よかったらどうぞ。お店の賄いじゃなくて私が作って来たのなんですけど」
「ええっ!?それって、あなたの朝ご飯とかですよね?それを貰うなんて悪いですよ!」
サンドイッチの入ったバスケットを差し出して来る店員さんに申し訳なく思い、僕が遠慮すると―――
「冒険者さん、これは1つの等価交換です。私がお弁当を渡すので、冒険者さんは今日頑張って稼いで下さい。そして今晩、私の働く豊穣の女主人で晩御飯を召し上がって下さい」
「………」
「お客さんが1人でも多く来てくれれば私の給金も上がるので、知り合いの方も連れて来て頂けると嬉しいです」
「……そういうことなら遠慮なく頂きますね。同じ派閥に先輩が何人かいるので、その人達と一緒に伺おうと思います」
「はい。ご来店、お待ちしていますね」
「……そういえば、自己紹介をしてなかったですね。僕、ベル=クラネルって言います」
「ベルさんですね。私はシル=フローヴァです」
僕はシルさんと笑い合いながら名前を交わし合った後、迷宮の入口がある摩天楼へと向かって再び歩き出した。
……それにしても昨日のテレシアさんに続き、今日は酒場の店員であるシルさんと出会えた。やっぱり、迷宮都市に出会いを求めるのは間違ってなかったんだ。
【視点:ヘスティア】
今日も朝8時から夕方の17時まで働いたんだけど、やっぱりバイトって疲れるな〜。ヘファイストスの所で引き籠っていた時が懐かしい。
えっ?いきなり時間が飛び過ぎ?そんなことボクは知らないよ。ベル君は朝からずっと|迷宮《ダン
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