第3話・改訂版(一部編集)
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「………ヘスティア様、そろそろ狸寝入りはお止めになられては?」
「……………テレシア君とベル君の阿呆」
「ヘスティア様の恋愛に口を挟む気はありませんが、14歳の子供に手を出すことだけは止めて下さいね。せめてベル君が15になるまで既成事実は我慢して下さい」
「……分かってるよ。というか、テレシア君はボクをどんな目で見てるんだい?」
「私の居ない間に変わり果ててしまった色ボケ女神」
「酷い認識だ!?これでもボクはアテナやアルテミスと一緒で三大処女神と呼ばれてるんだぞ!」
「貞潔な女神は幼気な少年の寝ているソファーに忍び込んだりしません」
「うっ!」
「そんなことより早く朝ご飯を食べて下さい。私も2時間後にはミアハ様の所に行くんですから、それまでに家事を終わらせたいんです」
「……は〜い。分かったよ、テレシアお母さ〜ん」
「誰がお母さんですか?私はヘスティア様の様な大きい娘がいる歳じゃありません。まだ16歳です」
「分かってるよ〜。ところで今日の朝ご飯は何だい、テレシア君?」
「私とベル君の話を途中からでも聞いていたなら分かるのでは?冷製スープですよ。ヘスティア様の大好きな―――」
「ジャガ丸くんスープかい!?」
「はい。すぐに持って来るので待ってて下さいね」
ベル君が出掛けた後のヘスティア様との遣り取りは、ベル君が来る前と割と変わりませんでした。余り認めたくはありませんが、母娘の遣り取りです。どっちが母でどっちが娘かは明言しませんが。
【視点:ベル】
「……神様がソファーで寝てたことを誤魔化そうと思って予定より早く本拠地を出たけど、よくよく考えると誤魔化せてないよね。テレシアさんが変な誤解をしてたらどうしよう……」
いや、ちゃんと説明したらテレシアさんも分かってくれる筈。朝のことで何か聞かれたり、変な気遣いをされたら誤解だってことをちゃんと話そう。
僕はそんなことを考えながら人影の少ない早朝のメインストリートを迷宮のある摩天楼に向かって歩いていた。すると――
「あの…」
「!?」
背後から急に声を掛けられた。気配を感じなかったこともあって身構えながら振り返ると、どこかの料理屋の店員と思しきヒューマンの女性が立っていた。
そして、その掌には冒険者なら誰しもが見覚えのある小さな紫紺の結晶――魔石が乗っていた
「冒険者さんですよね?これ、落としませんでしたか?」
「えっ!?ちょ、ちょっと待って下さいね!」
そういえば、昨日はギルドでテレシアさんの情報を聞いただけで、魔石を換金するのを忘れてた。僕は慌てて魔石入れとして使っている巾着袋の中身を確認する。
その結果、昨日手に入れていた魔石の数
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