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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百八十五話 レンテンベルク要塞
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日 帝国軍総旗艦ロキ エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
目の前のスクリーンにはレンテンベルク要塞が映っている。これからあれを攻略するのだが余り気が進まない。なんといってもあれを守るのがオフレッサーなのだ。まあ原作でも奴が守っていたから原作どおりと言える、律儀な奴だ。
それに比べて要塞駐留艦隊はガイエスブルクに後退したらしい。こいつは原作どおりじゃない。つまりオフレッサーは孤立無援ということになる。どう見ても奴に勝ち目は無いのだが降伏勧告を送っても拒否してきた。オフレッサーは死ぬ気だということだろう。
レンテンベルク要塞を攻略する方法はたった一つ、第六通路を確保する事だ。レンテンベルク要塞の中心部には核融合炉がある。こいつが要塞全域に対してエネルギーを供給しているのだが、外壁から最短距離で核融合炉に至るルートが第六通路なのだ。此処を制し核融合炉を制すれば要塞を制することになる。
しかし問題は火器の集中使用が出来ない事だ。誤って核融合炉を直撃すれば誘爆してしまうだろう。つまり白兵戦で確保しなければならない。オフレッサーも当然それは分かっている。原作ではゼッフル粒子を充満させ軽火器さえ使えなくして第六通路を守った。
八時間、オフレッサーは八時間通路を守っている。攻撃の回数で言えば九回だ。落とし穴に落ちなければ更に時間と回数は更新されただろう。
俺としては九回も十回もそんな阿呆な事には付き合いきれん、さっさと穴掘って終わらせようと思ったのだが、リューネブルクがオフレッサーとは自分が戦うとぬかしやがった。
俺は何度も止めたし、穴を掘って落とせと言ったのだが野郎、拒否しやがる。何考えてんだかさっぱりわからん。とにかく“自分はオフレッサー閣下と戦わなければなりません、そういう運命です”の一言だ。
何が運命だ、それなら俺はどうなる。転生者が宇宙艦隊司令長官でラインハルトの代わりに内政改革をしようとしている。これが運命か? この世界に生まれたときから決まっていたとでも言うのかね、馬鹿馬鹿しい。
“勝てるのか?”
“勝算は有ります”
本当にそう思っているのかどうかは分からんが、リューネブルクは自信に溢れた口調で答えた。こうなったら任せるほか無いだろう。リューネブルクを信じるしかない。頼むから死なんでくれよ。三十年後の未来を見る、俺達はそう約束したはずだ。
周囲を見た。リューネブルクの姿が見えないことが不安だった。信じるんだ、奴は既に強襲揚陸艦に乗り込んでいるはずだ。
「全力をあげてレンテンベルク要塞を落とします。攻撃、開始」
レンテンベルク要塞攻防戦が始まった……。
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