第1話・改訂版
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一刀で両断し、左右に別たれたその身は『氷輪丸』の能力で一瞬の内に氷漬けになります。
氷漬けのミノタウロスは『氷輪丸』の能力を再封印すると同時に砕け散り、その氷の欠片はまるで粉雪の様にその場に舞い散りました。
(ふむ、洞窟の中で見る粉雪というのも中々いいですね)
そんなことを考えていると、ミノタウロスがいた場所に魔石とドロップアイテムの角が落ちていました。どうやら、完全に粉々になった訳では無かったみたいですね。
「5階層でミノタウロスに襲われるなんて災難でしたね。大丈夫です―――か?」
ミノタウロスを倒したとはいえ、他のモンスターが生まれることを考慮して『氷輪丸』を手にしたまま襲われていた冒険者に声を掛けると、私の視界に入って来たの原作主人公であるベル=クラネルでした。
(あれ?もしかして私、原作崩壊しちゃいました?)
「うわあああああああああああああああああああああ!!」
私がそんなことを考えていると、ベル君は悲鳴を上げながら私の前から逃げ出してしまいました。これはアイズ=ヴァレンシュタインじゃなくても軽く凹みますね。
というか、もしかしてベル君は原作でアイズ=ヴァレンシュタインに会った時と同じ行動を取っているのでしょうか?
もし、ベル君が原作でアイズちゃんに抱いていた想いと同じものを私に抱く様になったのだとすれば、これから私はどうすればいいでしょう?
「(同じ派閥の仲間だから、普通に本拠地で会うことなるし)本当、どうしてこうなった?」
私が予想外の展開に呆然としていると、何者かが背後から近付いてきました。ちなみに接近して来た者に気付けたのは、加護のお蔭です。
近付いて来る者が奇襲や不意打ちを狙っている可能性があった為、私は振り向き様に近付いて来る者へと『氷輪丸』の切先を向けます。すると、そこには―――
「ッ!!」
「……………【剣姫】アイズ=ヴァレンシュタイン?」
「……【剣聖】テレシア=ヴァン=アストレア」
原作ヒロインがいました。あと、少し離れたその後方に駄狼が1匹。
【視点:アイズ】
私達――ロキ・ファミリアは17階層で対峙中のミノタウロスを逃がすという不手際を起こした。当然、他の冒険者に被害が及ばない様、ミノタウロスを追討する流れになった。
追討の任に着いたのは派閥内でも足の速い私とベートさん。けど、逃げ出したミノタウロスの数が多かったこともあって、最後の1匹が5階層まで逃げてしまった。
基本的に5階層までは駆け出し冒険者が単独で挑むことが多い階層。だからこそ、早くミノタウロスを見つける必要があった。
そして、5階層でミノ
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