湯煙の町へ
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無駄だと切り上げたいところだが……あいつの頼みだからな」
ジムリーダーがモンスターボールを宙に投げる。そこから現れたのは――ホウエンでは珍しけれど、その名を知らないものはいないであろう赤き竜。
「メガシンカ、Yチェンジ!現れろォ!!メガリザードン!!」
紅蓮の球体に包まれ、中から現れたのは―-サファイアたちが知るよりもさらに荒く猛々しい、リザードンの姿だった。そしてその瞬間、ジム内ではわからなかったがフエンタウンに差す日差しが強くなった。
「一撃で決めさせてもらう」
「させません、ヤミラミ、パワージェム!」
「クチート、噛み砕く」
ヤミラミが鉱石から光を放ち、クチートがその開いた角で噛み砕こうとする。だがリザードンもジムリーダーもそんなものはお構いなしだった。
「メガリザードン!全ての敵を、撃ち抜け!……ブラストバーン!!」
メガシンカしたリザードンの口で、超弩級の火球が膨らんでいく。数千度にまで達した炎が放たれ――サファイアとルビーの目が眩んだ。ジム全体に激震が走り、爆裂音が響く――目を開け、結果を確認するまでもなく勝負がついたと確信させられた。結局自分たちは、この男のポケモンを一匹も倒せなかった。最後に至っては、たった一撃であっさりと片づけられた。
「やはりあの王者には、そして貴様にも……灼熱の如き闘志も、飛躍を求める魂も感じられない」
敗北し、目の前が真っ暗になるサファイアの耳に、さっきは聞こえなかったジムリーダーの呟きがはっきりと聞こえた――
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