湯煙の町へ
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・・?というより、倒せるのか?)
それはジャックと戦ったときにも似た相手への恐怖。あのときは得体の知れないポケモンへの、今は圧倒的な実力差への怖れだった。これがジムリーダーの、本当の本気。ルビーも次のポケモンを迷っているようだった。彼女をして、このジムリーダーは脅威なのだろう。
(いや、俺はもう迷わない。シリアのようなチャンピォンになるんだ!)
「フフフ・・・流石です、ジムリーダー」
「・・・?」
「これは・・・あれでいくんだね」
突然様子の変わったサファイアに、怪訝な目を向けるジムリーダー。ルビーは察したのか、溜め息をつきつつも顔は笑っていた。
「私達のエースを2対1で下すとは驚きですが、私達にはまだ頼もしき仲間がいます。いでよ、勝利を運ぶ優しき気球・・・フワライド!」
「ぷわわー!」
「それじゃあ僕も。出てきてサマヨール」
それぞれポケモンを繰り出す。サファイアに口調に思い当たったのか、ジムリーダーは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「・・・偽りの王者を騙るか」
「私にとっては、彼が本物の王者です」
「・・・よかろう、ならば貴様をあの王者と思い叩き潰すまで!」
理由は分からないが、ジムリーダーはシリアを敵視しているようだった。そしてその敵視は、ネブラも持っていて。エメラルドも何か知っているようだった。そろそろ真相を確かめるべきなのかもしれない。心のなかでそう思った。
「燕返し!」
「受け止めてシャドーボール!」
ファイアローの燕返しはどうあがいても避けられない。ならば受け止めて反撃するだけ。そのためにサファイアは体力の高いフワライドを出した。漆黒の弾丸が、零距離でファイアロ
ーに向かい直撃する。
「羽休め」
「させないよ、重力」
すぐさま体力を回復しようとするのをルビーは読んでいたのだろう。ファイアローの周囲に高圧力を発生させ、体を休ませない。
「よし、今度こそ止めです、妖しい風!」
「ブレイブバード!」
フワライドが不気味な風を発生させるが、ファイアローが突進してくる。風の勢いなどものともせずフワライドに直撃した。
「フワライド、大丈夫か?」
「ぷわわ・・・」
フワライドは持ち前の体力を生かしてなんとか浮かび上がる。ファイアローは、さすがに反動が大きかったのかよろめいていた。まだ戦えないことはなさそうだが、ジムリーダーがボールに戻す。そして次のポケモンを繰り出した。
「……怨念を燃やす灯火よ」
ジムリーダーが最初は小さく呟くように唱える。そして大きく叫んだ。
「倒れし仲間の無念継ぎ、勝利への道を照らし出
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