湯煙の町へ
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していく。だが、相手が更にその上をいった。分身を始めても、本体が移動するのには若干のラグがある。その間に懐に入り、再び翼で切りつけた。
「特性『いたずら心』のジュペッタより速い!?」
「燕返しは先制をとる技じゃない。ということは・・・」
ルビーは速さの理由を察したようだった。それを聞いて、ジムリーダーは短く言う。
「特性『疾風の翼』の効果により、飛行タイプの技は全て先制技になる。・・・止めをさせ、ファイアロー」
「させるか、影法師!」
「・・・ふん」
例え攻撃が命中しても、分身が出来ている事実は変わらない。それを利用し、サファイアは自らの必殺技を仕掛ける。分身達が巨大化し、ファイアローに精神的なダメージを与えようとする。
「つまらん芸だな、児戯にも等しい。焼き尽くせファイアロー」
ファイアローが全身の体毛から火の粉をだし、分身達を焼き払っていく。ごくあっさりと必殺技の一つを破られたが、サファイアとしてはこれで構わない。とにかく燕返しの連打さえ止めればーー
「キュウコン、炎の渦」
「コォン!」
彼女がサポートしてくれると信じているから。炎の渦がファイアローを閉じ込め、ジュペッタの姿を今度こそ見失わせる。
「これで止めだ。ジュペッタ、虚栄巨影!」
巨大化した闇の爪で、炎の渦ごとファイアローを確かに捉えて切り裂く。ファイアローが床に叩きつけられるがーー
「倒れない・・・」
「流石に鍛えてあるってことだね。火炎放射!」
ルビーのキュウコンがすかさず追撃の炎を放つ。9本の火柱がファイアローに飛んで行くが、それは相手にとっては遅すぎた。
「羽休め」
ファイアローが床に座って体を休める。・・・火炎が届くほんの数秒の間に体力を大幅に回復させ、対して痛くもなさそうに受け止めた。
「これで決める」
短い一言に、はっきり必殺の意思がこもったのがサファイアにもルビーにもわかった。だが、相手の圧倒的な『速さ』の前に対抗手段が浮かばない。
「ブレイブバード!」
放たれた技は、正に神速の突貫だった。地面すれすれを水しぶきを起こしながら翔び、まずキュウコンを吹っ飛ばし、ついでのようにジュペッタの全身を翼で切り裂いたーーサファイアの目に映ったのは上がる水しぶきと、吹き飛ばされて壁に叩きつけられるキュウコンの姿だった。
「キュウコン・・・ゆっくり休んで」
「・・・ジュペッタ。ごめん」
戦闘不能になった二匹をボールに戻す。次に誰を出そうか考えて、結論が出せなかった。
(どうすれば、あいつを倒せる・
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