湯煙の町へ
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ーそれなら少しは勝負になるだろう、とも。
「ルールは3対6の変則バトル。お前達は三匹ずつポケモンを使っていい」
「本気で言ってるのか?それってつまり」
「お前達が一匹ずつに対し、俺は一匹だけを出す」
「2対1の上に、ポケモンの数も半分で戦うっていうのか・・・」
「どうする。やるのかやらないのか」
ジムリーダーの男は、どちらでも良さそうだった。自分が不利な条件でも構わないという・・・余裕、いや覚悟だろうか。
「ルビー、頼んでもいいか?」
「いいよ、どうやら僕たちはあのジムリーダーに一杯喰わされたみたいだね。もしくは・・・」
「?」
「いや、戦ってみればはっきりするかな。さあ準備をしよう」
ルビーは自分のモンスターボールからキュウコンを呼び出す。コォン、とキュウコンが鳴いてルビーに頬擦りした。
「ルビーは早速キュウコンか・・・なら、俺もジュペッタでいこう。俺達の力を見せてやる」
「うん、攻めるのは任せるよ」
「任されたぜ」
一見すれば仲睦まじく話している二人に、ジムリーダーである男は目を細める。それがどんな感情を抱いたからなのかは、サファイア達にはわからない。
「・・・準備はできたか」
「ああ、待たせたな」
「いつでもいいよ」
「では・・・いくぞ、ファイアロー」
ジムリーダーは紅い体つきの鷹のようなポケモンを繰り出した。ホウエンでは珍しいが、とある地方ではありふれたポケモンではある。
「ジュペッタ、影分身だ!」
「キュウコン、影分身」
二人がいつも通りの指示を出す。分身で相手を撹乱し、自分達に有利な場を作り出す戦術だがーー目の前の男は、たった一言でそれを打ち破る。
「燕返し」
刹那。一瞬のうちに動いたファイアローがジュペッタとキュウコンの分身が増える前に、2体の体を翼で切る。キュウコンの美しい毛並みが傷つき、ジュペッタのぬいぐるみの体が僅かに裂けた。
「な!?」
「速い・・・」
今までも、分身した自分達を見切ったり分身を消し去る相手はいた。だがこの男は、そもそも分身すらさせずに攻撃を当ててきた。
「だったらメガシンカだ!いくぞジュペッタ!」
「ーーーー」
サファイアのメガストーンと、ジュペッタの体が光輝く。ジュペッタを包む光が消えた時ーーその姿は、チャックが開いてそのなかから紫色の鋭い手足が出たメガジュペッタに進化していた。
(相手は炎タイプだから、鬼火は効かない。ここは、もう一度影分身でペースを掴む!)
「ジュペッタ、影分身!」
「燕返し」
ジュペッタが先ほどよりもずっと速く分身
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