湯煙の町へ
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!」
そう言って、エメラルドはポケモンセンターから出ていってしまった。
「相変わらずそそっかしい子だね」
「なんというか・・・嵐のように去っていったな」
そんな感想を残しつつ、今度こそ温泉に入る。月並みな感想だが、温かくて広い空間というのは気持ちが良かった。
「・・・温泉から上がったらジム戦、だな」
呟くサファイア。その声には今までのような緊張感は薄らいでいた。今までのジム戦は順調だったし、あのティヴィルも倒した。正直のところ、負ける気がしなかったのだ。
だがサファイアは忘れていた。次のジム戦の相手がどんな存在なのかをーー
「ふう・・・気持ち良かったね」
「そうだな・・・風呂長かったな」
「折角の温泉だからね。ゆっくりしないともったいないじゃないか」
サファイアより大分後に出てきたルビーが言う。二人ぶんのモーモーミルクを買ってルビーに片方を渡した後、サファイアがこう切り出した。
「なあ、飲み終わったら早速ジム戦に行っていいか?」
「エメラルド君に触発されたかい?ボクは構わないよ」
「ありがとう。じゃあ決まりだな」
そうして二人はフエンジムへと向かう。中は浅い温泉のようなフィールドになっていた。
「いくら温泉の町だからって、炎タイプでこれは不利じゃないか・・・?」
「あるいは、それくらいで丁度いいという自信の表れかもしれないね。・・・ああ、彼がジムリーダーかな?」
ジムの奥には、黒シャツの上から真っ黒な革ジャケットを来て、紅い髪を逆巻く炎のようにした長身の男が、マグマッグを控えて立っていた。向こうにもこちらは見えているはずだが、話しかけてはこない。
「あんたがここのジムリーダーか?」
なので、サファイアから話しかける。ジムリーダーと思わしき男は如何にも、と返事をした。・・・派手な外見の割りに無口なのかな、と思いつつキンセツシティのジムリーダー、ネブラにもらった書状を取り出す。
「俺、あんたと本気のバトルがしたくて来たんだ。あんたの友達だっていうキンセツのジムリーダーから、これを預かってる」
「ほう・・・これは」
確かにネブラの字だな、と呟いた彼の声は。ネブラがこの男の事を話すときと同じく懐かしさが少しだけ感じられた。
「いいだろう。俺が本気で相手をしてやる。さあ・・・二人まとめて来い」
「ああ!・・・って、二人?」
「如何にも。書状にはそう書いてあるが」
「そうなのか?」
サファイアが書状を見せてもらうと、確かにそこにはルビーとサファイア、二人を同時に相手をするように書かれていた。ー
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