第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#10
PHANTOM BLOOD NIGHTMAREU 〜Seventh Dimension〜
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―――!!!!!!!」
振り抜かれた刀身から、炎がカマイタチ状に具現化して襲い掛かる斬撃術。
“贄殿遮那・炎妙ノ太刀”
弛まぬ訓練の成果、炎気を込める時間を予備動作と直結させ威力もスピードも
落とさずに仕上げられた改良型。
しかしその紅い斬撃は射出とほぼ同時に伸びてきた山吹色の蔓に阻まれ、
幹への着弾を阻止された。
炸裂と同時に弾け飛ぶ、双色の熱風。
「おまえいっつも失敗するな、ソレ」
「うるさいうるさいうるさい! ただの様子見よ!」
実は結構自信があった、誉めて貰いたかったシャナの目の前で
バックリと抉れた焼痕から煌めく菌糸のような繊維が湧き出し
煙をあげる欠損部を修復していく。
「自己再生能力!? アノ男ほどじゃないけど、それでも速い!」
「やれやれ、こりゃまた、難儀そうな相手だぜ」
僅か数秒で元に戻った蔓は、再度の攻撃に備えた承太郎とシャナの意に反し
大樹の方へと返っていく。
当然の如く次は波状攻撃、或いは飛炎弾の襲来を警戒した二人を見透かすように、
幻想の大樹本体が眼下の街路をその根っこで踏み砕きながら近づいてきた。
(動くの!? アレ!?)
(ジジイのスタンドと似ちゃあいるが、正直ケタが違う……!)
驚愕を何とか心中のみで留め、唖然とする二人の前で大樹の幹が静かに解れ、
中からその精霊の如き行使者が可憐極まる様相で姿を現す。
「初めまして」
黄霞に靡く金色の髪、陽炎に揺らめく鍔広帽子とドレス。
正に幻想世界の住人と呼んで差し支えない、
甘やかな眩暈すら催す至純の美少女。
「女!?」
「子供、じゃないの!?」
巨大なる自在法を繰る者の、その意外なる姿に声を漏らすが、
「オメーが言うな」
「うるさいうるさいうるさい!」
一方の指摘に一方が廻し蹴りで応えた(無論ガードされたが)
「私は紅世の徒、その真名 “愛染他” ティリエル。そして」
遙か頭上から、大気を圧するナニカが急速で下降してくる。
ソレを少女は軽やかな指先を一振り、
舞い散った火の粉に連動した枝葉で受け止めた。
大地が陥没する程の衝撃を分散吸収した枝葉の上に立つ者は、
華美な鎧に身を包んだ騎士の少年。
形状からしてプレート・メイルに近いが、
機能性を重視してか関節部のパーツは外してある。
「この方が、私のお兄様、 “愛染自” ソラトですわ」
そう紹介された、少女と瓜二つの少年の手には、
竜の首でも一撃で叩き落としそうな大剣が握られ
聳える大樹とはまた異質の脅威をギラつかせていた。
「『星の白金』 空条 承太郎様。
『紅の魔術師』 空条 シャナ様とお見受けしますわ。
相違はなくて?」
高圧的だがそれを全く感じさせない美しい声でティリエルは訊く。
「DIOのヤロー
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