Track 4 ともに目指す場所
活動日誌17 はろー ・ ほしをかぞえて! 2 『まきりんぱな』
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話し合う必要はないのだと思う。
だったら、何の為に集まったのか――きっと区切りをつける為なんだろう。
昨日はライブが終わって、慌しく解散したからね。それに私達は初めてのライブで気持ちが高揚していたから。
1日経った今日。落ち着いた気持ちで、改めて全員が揃うことで、ライブが無事に終了したって。やりきったって実感する――
つまり、気持ちの整理をする為に集まったんだろうって思っていた。
だから、練習の話も出ない。と言うよりも、スクールアイドルの話すら出ていない。
本当の世間話と笑い声が部室内に響いていたのだった。
「……ところで?」
「はい」
「忘れないうちに言っておこうと思って……昨日のライブで歌った歌詞は何かに書いてあるのよね?」
「はい! ……あっ、教室にありま――」
「別に今必要な訳じゃないから、持ってこなくても問題ないわよ? 明日、部室に来た時にでも貸してもらえると嬉しいわね?」
「……はい」
世間話と言う名の他愛のない会話が部室内を包む中、真姫さんが唐突に私達へと声をかける。
私が返事をすると、昨日の私達がライブで歌った、あの曲の歌詞の話を始めた。
昨日のライブで歌った歌詞。私達3人で言葉を繋いで作った私達の歌詞。
それは以前、真姫さんに出された課題なのだった。
そして、その時に「できたら歌詞を持ってきて? 曲を作ってあげるから」と言ってくれていた。
自分達の初めての歌詞。そもそも見ないで歌う必要もあるから、各自がノートに書いて持ち歩いている。
まぁ、ライブは終わったんだけどね?
真姫さんに言われた言葉を受けて、私は作曲するのに歌詞を渡していないことに気づく。
だから持ってこようと思って慌てて立ち上がると、苦笑いを浮かべた真姫さんに優しく止められた。
私達は期限を設けられていた訳でも、急いで作れとも言われていない。
あくまでも『できたら』と言う話だった。つまり慌てて持ってくる必要はなかったんだよね。
本当に『忘れないうちに言っておこうと思って』言っただけなんだろう。
まだ大会への意気込みが解けていなかったのかな? なんてね。
私は恥ずかしくなって、返事をしながら俯いて席に座るのだった。
そんな風に、私達の歌詞の話以外は他愛のない世間話が中心だった反省会も――
昼休みの終わり間近になると、花陽さんの声かけで幕を閉じた。
その後は各々の教室へと普通に戻っていく。ごく普通の学院生活の1コマのような昼休みの風景。
まさか学院の講堂とは言え、非日常的で夢のようなステージを体験した私達。
それが1日前だとは思えないくらいの日常。
だけど、それが良いのか
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