Track 4 ともに目指す場所
活動日誌17 はろー ・ ほしをかぞえて! 1 『まきりんぱな』
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初めての知らない土地。目に映る景色は、どれも本やインターネットで見ていたものばかり。
それが目の前に広がることで実感や喜びを感じると同時に、ホームシックを覚え始める。
日本語が通用しない。聞こえてくる言葉が理解できない。見えるもの全てが馴染みのないものばかり。
もちろん楽しいって感覚はあったと思う。新鮮に感じられていたとも思う。
だけど全員がいるから感じられていることも、1人の時間になると、ね?
どうしても寂しさとか? 不安とかが芽生えるんだろう。
まぁ、お姉ちゃんが招いた海未さん達の件が、全員に『知らない場所』って言う認識を植えつけたのかも知れないんだけど? なんてね。
そんな空気感を誰もが抱いていたのかも知れないけれど、メンバーの中で1番感じていたのは花陽さんだったみたい。性格的にも嗜好的にも。
そして、1番気にしないでいられたのは凛さん――別に悪い意味じゃないですからね?
本当ですよ? 凛さん。物怖じしないって意味ですからね?
そんな風に感じていた花陽さんは、人知れず、親友である凛さんにだけ胸の内を伝えたんだって。
ホテルで自分達の部屋に戻って、2人になって窓から見える『自分達の知らない遠い場所』の夜景を眺めながら。
その時、凛さんは言葉ではなく温もりを与えた。それが1番安心するからって。
――実際には、安心させられる言葉が見つからないからって理由みたい。
まぁ、不安な気持ちが和らいだ訳じゃなくて、物怖じしないから普通でいられた凛さん。
その理由を説明できなかったんだろう。なんてね。
それでも何とか花陽さんの気持ちを軽くしてあげよう――凜さんはそんな風に考えていたのかも知れない。とは言え、花陽さんだけの為でもないんだろうけどね?
街の人達が、自分の知っている人達と同じように優しい。街の雰囲気も優しい。
そして上手く説明はできないけれど、自分らしくいられる気がする。
街を彩る空気に触れ、お姉ちゃん達は徐々に気持ちが軽くなっていった。
それでも、何となく伝わるメンバーの不安みたいな感情。
それを取り除ける決定的な一言を、凛さんは探していたみたい。
そんな時に、全員でビルの屋上から見下ろした街の夜景を眺めながら、凛さんは探していた答えを見つけたんだって。それが――
『この街はアキバに似ている』と言うこと。
凛さんの言葉を聞いてお姉ちゃん達は、心に引っかかっていた今の気持ちに名前を付けられたのだろう。
この街の優しい雰囲気や空気。段々と居心地の良さを実感していったお姉ちゃん達。
だけど、その気持ちの変化を曖昧に受け止めていた。それが凛さんの一
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