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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十一話 家族のかたち
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には……」

「じゃいつでも待ってるわね?」

「はい」

「またいつでもいらっしゃい。 お店の方も嬉しいけど、お家に来てくれたらもっと嬉しいから」

「それじゃ、また今度楽しみにしてます」

「ええ、腕によりをかけるわ」

「ありがとうございます」

「なのはと仲良くしてくれてありがとね」

「それは、こちらのセリフです。 仲良くしてもらってるのは、俺の方なので」

「そう。 それじゃ、これからも仲良くしてあげて。 なのははアレで結構我慢しちゃうタイプだから……きっと寂しいとか、悩んでても話してくれないから」

「……そうですね」

 桃子さんの言葉は、やっぱり母親なんだなって思った。

 娘のことをよくわかっていて、わかった上で俺に頼んで。

 俺は高町と初めて出会った時のことを思い出す。

 そう言えばあの時、あいつは一人で悩みや苦しみを叫んでいた。

 一人で抱え込んでいるようだけど、やっぱり親ってものは気づいてしまうものなんだってこの時思った。

「それじゃ気をつけて帰ってね?」

「はい。 今日はほんとにごちそうさまでした。 美味しかったです」

「ふふ……そう言ってもらえると嬉しいわ。 それじゃ、おやすみなさい」

「はい。 その……お、おやすみなさい」

「ええ」

「……」

 まるで、家族みたいな挨拶だ。

 そんな風に思ったら、なぜか途端に恥ずかしくなって、俺はタッパーを抱えながら走り出した。

 顔が、全身が熱くてしょうがない。

 胸にこみ上げるこの感情はなんだ?

 もしかしてこれは……これが、幸せって言う感情なのか?
 
 だとしたら、なんか、嬉しい。

「アマネ」

《いかがなさいました、マスター?》

「義母さんにメッセージを送って欲しいんだけど」

《電話になさらないのですか?》

「会話はちょっと、恥ずかしくて」

《左様ですか》

「うん」

《……マスター》

「何?」

《幸せそうですね》

「……うん」

 自然と頬が緩む。

 俺は桃子さんからもらったタッパーをギュッと抱き、走る速度をあげた。

 帰り道、胸に抱えたタッパーがまるで、小さな生き物のように暖かかった。

 俺はその温もりを大切にしながら、この胸に溜まった気持ちをメッセージにして、義母さんに送った。


*****


「行ったわね」

「ああ。 嬉しそうで、こちらとしても安心したな」

「ええ」

 一人の少年が走り去る背中を見つめる。

 なのはの母、桃子と父、士郎。

 二人はなのはが初めて連れてきた男性のお友達、小伊坂 黒鐘の背中が小さくなり、
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