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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十一話 家族のかたち
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どうだっただろう?

 父が亡くなって、母が亡くなって、姉さんが眠って。

 最初に泣き止んだのは、いつだっけ?

 その痛みに耐えられるようになったのは、いつだっけ?

 落ち着いたのはいつだっけか……なぜか、思い出せない。

 ずっとずっと、ぼんやりしている。

 あの日からずっとぼんやりしていて、ハッキリしなくて、他にすることが見つからなくて。

 ――――家族と過ごしていた日常は、ある日突然に終わりを迎えた。

 病院で目覚めた俺は、氷のように冷たくてカチコチになっている父さんと母さんを見て、触れて、二人の働いていた所の同僚で、今の義母の人から『二人は亡くなった』と説明を受けた。

 更には姉さんも意識不明で、生きてはいるけど目覚めないと言う話しを聞いた。

 葬式には、たくさんの人が参列してくれた。

 二人が職場でどれだけ信頼されていたのかわかる光景だった。

 ――――息子さんは、これから施設なんだろう?

 ――――ああ、引き取り手がないようじゃそうなるだろう。
  
 誰かがそんな会話をしていた。

 祖母や祖父がいない俺は、このまま施設送りになってしまうのだろうって話しらしい。

 ――――かわいそうに。 あんなに幼い子が施設なんて。

 ――――だが、私たちではどうしようも……。

 かわいそうって言うのは、どういう所を指していったのか俺にはわからなかった。

 ただ、俺にとって安らぐ場所や、落ち着く場所がないってことだけはハッキリしていて……。

 ああ、きっと俺はこれから神経を張り詰めながら生きてかないとダメなんだって思った。

 ――――その時に俺の目の前に現れたのが、俺に両親の死を伝えてくれた女性だった。

 彼女は両親への挨拶を済ませて俺の前に立ち、ある提案をしてくれた。

 ――――私の家族にならない?

 その時のあの人の笑顔を、俺は忘れることができない。

 自分が抱える痛みに耐えながら、なのに俺という存在を助けたくて必死で、泣きそうになりながらも笑顔を貫こうとする彼女に、俺は思ったんだ。

 救われたいって。

 ――――お願いします。 家族にしてください。

 だから俺は、彼女に縋った。

 家族を求めて、居場所を求めて、安らぐ場所を求めて。


*****


 帰り際、桃子さんがタッパーに肉じゃがや漬物、惣菜を詰めて持たせてくれた。

「帰ったらすぐに冷蔵庫に入れてあげて。 肉じゃがは早いうちに食べて、漬物や惣菜も腐らないうちにね。 食べるときはレンジでチンしてからね?」

「あ、はい」

「タッパーは無理に返さなくていいわよ? 必要ならあげるから」

「いえ、そんなわけ
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