暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二十一話 家族のかたち
[6/12]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
た子なら大歓迎だし、私たちも一度お客としてじゃなくて、なのはの家族としてお話ししてみたかったから。 そうよね、アナタ」
「ああ、俺も大歓迎だ」
「――――っ!?」
え、いつの間に?
気づけば桃子さんの隣に一人の男性が立っていた。
黒っぽい髪の細身の男性。
桃子さんの放つ雰囲気に溶け込むような、同じ波長を持つような男性。
その人が桃子さんの旦那さんで、高町のお父さんなのはすぐに分かった。
俺が驚いたのは、彼の接近に気付けなかったことだ。
桃子さんのほうを向いていたなら、隣にいる彼にはすぐに気づけたはずなんだ。
それなのに、まるで一瞬で現れたかのように気づけないなんて。
「俺はなのはの父、高町 士郎だ」
ゆっくりとこちらに歩み寄り、彼は俺に握手を求める右手を差し出す。
「……お、俺は小伊坂 黒鐘です。 よろしくお願いします」
「ああ、こちらこそ!」
俺はなんとか声を絞り出し、士郎さんの握手に応じた。
「……」
士郎さんの手は、とても一般人とは思えない厚みを持っていた。
硬いだけでなく、柔らかさも兼ね備えたしっかりとした手と、お菓子作りには関係がなく、俺がよく知る位置にある分厚い肉刺。
それである程度察した。
ああ、この人も俺に近い世界で生きていた人なんだってことを。
「あの」
「おっと、立ち話はこの辺にしてウチへ上がりなさい。 家族が多く狭い所だが、君を歓迎するよ」
「……はい、それじゃ、お邪魔します」
アナタは何と戦ってきたんですか?
なんとなくそう聞きたかったけど、士郎さんの眼はそれを理解した上で受け流したように見えた。
嫁さんと娘がいるからなのか?
そんな疑問や、高町家の持つ不思議な暖かさを感じながら、俺はこの人たちの住む空間へ足を踏み入れた。
靴から客用のクリーム色のスリッパに履き替えて廊下を進むと、リビングと思わしき広い部屋へ到着した。
「ただいま〜」
「おかえり、なのは」
「なのは、今日も遅かったじゃん!」
「にゃはは、ごめんお姉ちゃん」
そこには家族が食事を取るための大きなテーブルが置かれており、既にその前の椅子に座っている男性とメガネをかけた女性がいた。
高町の発言で察するに、彼女の兄と姉なのだろう。
……姉か。
「なのは、そちらの子は?」
彼女の兄らしき男性と姉の視線がこちらを向く。
その目は人を品定めするような鋭いものだけど、敵意や殺気のようなものは感じない。
あくまで君は誰なんだと言う問いの視線だろう。
「なのはさんの一年上の小伊坂 黒鐘です。 今日はなの
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ