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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
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きた娘の婚約者の前で話すには少々まずいと思った。
「ミスタ・フレデリック。少しの間だけ席を外してもらえるかしら?ルイズに聞きたいことがあるのですけど、あなたの前では少し話辛いことですので」
「あ、はい。構いません…ではルイズ様、後で二人で話をしましょう」
カリーヌがルイズに問おうとしていることにはあまり触れることなく、フレデリックはバルコニーから一度去った。彼が去ったのを確認すると、カリーヌは改めてルイズの顔を見ながら、確信めいた予想を彼女に尋ねた。
「ルイズ…あなた恋人でもいるの?」
突然心に槍のように突いてきた母の言葉に、ルイズはぎょっとした。
「こ、恋人なんていないわ!」
口ではそう言うものの、顔が明らかに真っ赤になっている。全く持って本音を隠せていない反応だった。
「想い人はいるみたいね?どこの貴族?」
「伯爵?男爵?……まさか、シュヴァリエとかそれ以下じゃないでしょうね!?」
ジロッと目を研ぎ澄ませる母に続き、エレオノールまでも問い詰め始める。しかも、たった今のエレオノールの問いに対して、さらにルイズが過敏にビクッ!と身を震わせる。
「な、なんてこと…身分の低い者に恋ですって…!?」
「はぁ…この子はいくつになっても心配ばかりね」
信じられないといった反応を示すエレオノールとカリーヌ。まさか、ルイズが身分の低い者に恋心を抱いてしまうとは。これを公爵が連れてきた新たな婚約者に聞かれたら事である。
「だ、だだ…だから恋なんか…!」
ルイズは慌てて否定を入れるも、もはや手遅れ。
…いや、手遅れというのは、自分が身分の低い者に好意を抱いていることを隠せなくなったこと以前の問題だ。ルイズの脳裏に、実家に戻る前に魅惑の妖精亭での、サイトとハルナの二人きりのやり取りが蘇る。
『僕はどこまでも、君のもとへ駆けつけよう』
『本気だから』
その言葉は、ルイズにはどう考えてもそのようにしか聞こえなかった。そして切なくなった。家族は自分を子供のころからの『ゼロ』のままとしか見ておらず、一番に支えてほしいと願うようになった使い魔も、別の女に目を向けている……寂しい現実を痛感させ、彼女は顔に光の差し込まないほどの影を作って俯いた。
「お姉様、お母様。いきなりルイズに相談もなしに婚約者なんて、やはり気が早いですわ。ルイズも見ての通り動揺してますし、本当に恋をしているのかどうかなんてまだわからないでしょう?」
カトレアがルイズのフォロに回る。本当は恋をしているなんて誰の目から見ても一目瞭然だが、あえてそう言った。
「何を言うのカトレア!このままルイズが好き勝手するのを見過ごすわけにいかないでしょう!この子もいくら魔法の才能がなくても、れっきとしたヴァリエールの人間よ。それに見合った姿勢と気品を持たせなければならないのよ。それを、私たちに
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