帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
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会議はいかがでしたか?」
「どうもこうもない。ここしばらく怪獣の出現が頻発している以上、新たな軍の編成と戦力増強で会議は決議された。だが、実に見ておられぬ有様だったわい。どいつもこいつも、ウルトラマンとかいう得体のしれぬ連中に頼ろうとしている」
「ですが、今のトリステインのみの力で、今のアルビオンを…レコンキスタの使役する怪獣たちに立ち向かえるのでしょうか?」
「それをどうにかするために、傍観者気取りのゲルマニアの連中を説得するべきではないか。それを連中は、バカの一つ覚えのごとくウルトラマンの名ばかりを口にしおって…。同じ貴族として恥ずかしいことこの上ない。
あの鳥の骨もだ。ならばとばかりに、軍を退役したわしに向かって『一個軍団編成されたし』だと?ふざけおって…現役の者でどうにかしようとも思わんのか」
どうやらこの公爵も、ウルトラマンに依存し始めている貴族に失望しているようだ。
「では、旦那様は手を貸さないと?そうなれば、ヴァリエールに逆心ありと噂されるのではないでしょうか?」
妻からの問いに対し、さも当然のごとく公爵は言った。
「どうせその噂も枢機卿を名乗るあの鳥の骨の差し金として流布されるのだろうが知ったことか。寧ろウルトラマンが戦に必ず来ると盲信している馬鹿どもをあえて戦に向けて動かし、必ず来ないことを思い知らせることで一度敗北の味を覚えさせた方が連中にはいい薬になろう」
「怖いことをおっしゃりますのね。宮廷の雀たちに聞かれていたらどんな目で見られるか」
カリーヌはそう言うが、とても怖いと思っているようには見えなかった。もしここにその鳥の骨と揶揄されているマザリーニがいたら、どんな顔をしていたことかなど、公爵からすればその顔さえも見たいとさえ思うほどなのだ。
「それとルイズ」
公爵は、今度はルイズの方に視線を傾けた。
「エレオノールから話は聞いた。舞台女優として舞台に立ったそうだな」
「はい…」
「ヴァリエールの者であるお前がなぜ、そのようなことをした?」
「それは……」
父は決して厳しいだけの人間ではないのだが、今の父と母、上の姉から発せられるプレッシャーに圧されかける。だが、言わなければ。自分があの人に…幼き日からの友と信じてくれる女王のために。
「…お父様。舞台女優として一度舞台に立ってしまったことは、確かにヴァリエール公爵家の出のものとして恥ずべきことでしょう。でも、これも大切な任務を果たすためだったの!姫様は…いえ、女王陛下は私を必要としてくださっているの!」
そうだ、自分には女王命令を果たすためという正当な理由はある。ならば恐れることなどない。あの父でも、陛下に逆らうことはあるまいと。
「ルイズ、あなたお父様に向かって!」
「お姉さまは黙ってて!私はお父様と話をしているの!」
「ッ!?」
強気な
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