暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
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相談に乗ってくれそうだ。…主にサイトがらみのことで。
そうだ、サイトといえば…。ハルナはサイトたちのおかげで取り戻すことができた、地球にいた頃の私物を探る。学校鞄の中に教科書や愛読している小説、財布と携帯などが詰まっている。携帯は当然ながら電池が入っていなくて起動させることはできない。最も通話などできないが。
その中でも何より大事にしているものが…
「えっと…確か…………あれ?」
その時、ハルナは頭を上げる。
「私…何を探していたんだっけ」
確かに自分は今、鞄からあるものを取り出そうとしていたはずだ。けど、なぜかここにきてそれが思い出せなくなっている。なんだか、頭に奇妙な靄がかかっている。
何を思い出そうとしていたんだっけ?…いや、いいか。
明日も、サイトと話をしよう。そして、ムサシから聞いてみることにしよう。あの年頃の男の子の気を引くにはどうすればいいのか、とか。そう思うと、不思議と笑みが浮かぶ。
やっぱり自分は…そうなのだ。気が付くとサイトのことが頭に浮かんでくる。
「…おやすみ、平賀君」
ここにはいないサイトへ、お休み前のあいさつを済ませ、ハルナは鞄を部屋のテーブルの上に置いて、ベッドに入り込んで眠りについた。


それを、『黒い闇の何か』が覗き見ていたとは知らずに…。



翌日…。
「ふああ…よく寝た」
起床したサイトは背伸びした。
ルイズがこの屋敷に戻ってから、あまり顔を見ていない。やはりお嬢様が下々と気安く話すことはよろしくないとでも思われているだろう。サイトからすれば面倒なだけだが。
ハルナやムサシとの会話以外にやることが特になかった。だから今日も何か面白い話でも聞きに行こうかと思い始めた頃…妙に屋敷内の召し使いたちが慌ただしく動きだした。
「な、なんだ…?」
騒がしい。一体どうしたのだろう。
「平賀君、おはよう!」
そこへハルナもサイトのもとへ駆け寄ってきた。
「あ、ハルナ。おはよう。けど、どうしたんだこの騒ぎ?」
「さあ、私も起きてすぐに『退いて退いて!』って言われて…」
「多分、公爵様が帰ってきたんじゃないかな?」
さらに、ムサシとピグモンが後に続いて二人のもとにやってくる。
「公爵様?」
「ルイズちゃんたちのお父さんってことだよ」
「ルイズの、お父さん!?」
それを聞いて、自分でも不思議なくらいの緊張感がサイトたちに走った。




そのルイズは、庭を一望できるバルコニーにて、今朝も家族と一緒に朝食をとることになった。その際には母と二人の姉以外にも、ムサシが言っていた通り、ルイズの父であるヴァリエール公爵がいた。
エレオノールと同じ金色の髪と髭に、片眼鏡をかけた50代の初老の男。見た目からして彼は厳格そうな風貌をしていた。
「あなた、王都からの呼び出しの
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