暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
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ていく…そんな気がした。
「ぴぴぃ…!」
ピグモンは憂うように、ハルナの顔を覗き込んだ。


しかし一方で、サイトの身にもあることが起こっていた。
カトレアに言われた通り、中庭にある池の小舟を探した。その最中、廊下を歩いている時だった。
「にしても、婚約者、か…」
「なんだい相棒、やきもちか」
背中に背負われているデルフがサイトをからかってくると、サイトは少し顔を赤らめて否定した。
「んなんじゃねぇよ!別にあいつが誰と結婚しようが、関係ないだろ。俺には地球に帰るって目的があるんだ…」
「地球に帰る、ねぇ…」
「せめて、ワルドみたいな奴じゃないことを祈るさ…」
デルフは「ふーん」と呟くように言った。なんとなくだが、こうして一緒にいる内にサイトの心の内を読み取れるようになってきた気がした。今のサイトの心は、ワルドの時のように渦を巻き始めているのだと。今のサイトの声だって、妙に何かを思わせるような弱い声だった。
ふと、その時だった。
アルビオンでワルドの提案で行われた結婚式の時と同じように、サイトの左目の視界がぼやけはじめる。そして、全く異なる景色が左目に映る。
「これは確か、使い魔の視界の共有…?」
「とすると…まずいぜ相棒。あの娘っ子、悪い奴に狙われたようだな」
「!!」
それを聞いて、サイトは危機感を抱き、息を呑んだ。
ルイズの身に、危険が!?
「くそ、ルイズどこなんだ!」
「落ち着け相棒!見えている娘っ子の視界をよくたどってみな」
(嫌な予感がする…)
何かルイズのもとに、何か悪いことが起こりつつあるのでは?
左目に映った景色をよく観察するサイト。

そこは…カトレアが言っていた、中庭の池の景色だった。それを見て、サイトはすぐに駆け出した。その時の彼の足は、いつしかオリンピック選手さえも超えるような速さを誇っていたことに、彼自身は気づいていなかった。

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