帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
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しまうこともあるけど、やっぱりそれでも本心は隠せているわけじゃないわ。誰かが、一人で立てるようになるまであの子の傍で支えてあげないといけないの。それも、一番傍にいて安心させてあげられるあなたでないといけない、私はそう思ってる。
あの子が危ない目にあってほしくないのはお父様たちと同じだけど、あなたが一緒なら、きっと大丈夫」
カトレアはサイトの手をそっと握ってきた。いきなり美女から手を握られ、サイトは思わずドキッとしてしまう。さらにハルナに至ってはアッ!と声を上げそうになった。
「使い魔さん、あの子がせめて一人で立てるまででいいの。それまでの間、あの子を支えてあげて」
「………」
カトレアのまなざしは、まるで10年後のルイズから直接見つめられた様な感覚をサイトに与えた。
「お願いしますね、騎士殿。あの子とあなたに、始祖のご加護がありますように」
優しく微笑みながら、カトレアは体を起こしてサイトの頬を両手で挟みながら顔を近づけさせると、彼の額に軽く口づけをした。
「…え…」
今度は額にとはいえ、年上の美女に口づけをされたために、サイトは顔を赤らめてボーっとしてしまった。
「あ…ああああぁあああ!!」
それを見た瞬間、ハルナは思わず絶叫してしまった。
「は、ハルナちゃん…!?」
「どうしたんだ、ハルナ…?」
前触れなく大声を出した彼女の声に、特にすぐそばにいたムサシは愚か、サイトも驚いてしまった。
「あ、あらあら、私ったら…ごめんなさいね。ハルナさん…だったかしら。気が利かなくて…」
ハルナの様子を見て、カトレアはこの少女もまた、ルイズと同じものを抱いていることを察し、それに気づくのが遅れたことを詫びた。
「…い、いえ…私の方こそ…お騒がせしました」
「え?なんで謝ってるの二人とも?」
一体どういう理由で二人が互いに謝罪し合っているのか分からず、サイトは首を傾げた。ムサシは若い頃はきっとサイトと同じ反応を示したのかもしれないな、と思いつつも、今のサイトの鈍感な反応にちょっと呆れていた。
「気にしなくていいんじゃないかな。それより、早くルイズちゃんのもとに行ってあげたらどうだい?」
「あ、はぁ…それじゃ、行ってきます」
よくわからないこともあるが、言われた通りサイトはルイズを追うことにした。
無視したくてもできない、あの我儘で生意気だけど、弱くて優しい小さな主の元へ。
「ハルナちゃん、君は追わないのかい?」
気になっているんじゃないのか?
「私は…」
本当は、引き留めたがっている自分を感じていた。だから否定をすることはできない。だが、彼女は今の空気の流れから、サイトがルイズを追っていくのを止められなかった。止めてしまったら、嫌な女だと思われるのが瞬時に怖く感じた。でも、ここで止めなかったら、サイトが自分の元から離れ
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