帰郷-リターンマイカントゥリー-part5/すれ違いの親子
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ですか?」
「もちろんよ。子供のころから、あの子の相談相手はたいてい私がやっていたのよ?でも、今度ばかりは参っちゃったみたいね。初めて私のことも拒否しちゃった。今は、一人になりたがっているのでしょうね」
カトレアは微笑んでいたが、その笑みは寂しげだった。昔から心の支えとなってきた自分でも、今回はルイズの支えになりきれなかった悔しさも混ざっているのかもしれない。
「ルイズが陛下に認められるようになったことも聞いたわ。その背景にはきっとあなたも頑張っていたのよね?」
「それは…」
確かに手助けをしてきたとは思うが、自分だけではきっとルイズや皆を守りきれなかった。自分と一体化しているゼロやデルフ、自分と同じウルトラマンであるシュウやゲン、あらゆる人たちが自分に力を貸してくれなかったらきっと叶わなかったことだ。
「詳しく話せなくてもいいの。あの子が自信を持って前に進むことができるようになったのなら。でも…さっきも言ったように、ルイズはお父様たちに許しをもらえなかったことですっかり落ち込んじゃったの。このままだとフレデリックさんと結婚させられてしまうのだけど、あなたはどう思ってる?」
「え…どうって言われても…」
ルイズと自分は、そもそも恋仲というわけではないし、彼女からすれば身分違いだ。別にあいつが誰と結ばれようが、自分が口を挟むべきじゃない。だが…
(何でだろう…ルイズがまた婚約者を付けられたって聞いたら、ざわざわしてきた)
表情が、自分が知らない間に陰り始める。理由はわからない。
「ごめんなさい、ちょっと意地悪な質問だったかしら」
サイトの渦をまく心情を察したのか、カトレアは謝り、話を続けた。
「お父様たちがルイズを危険な目に遭わせたくない気持ちもわかるの。でも、ルイズの気持ちを無視して強引に話を進めたのがよくなかったみたい。
それに、見ての通り私は体が弱いし、あの子の傍にいつまでもいてあげることもままならないわ。
だから、あの子が一番必要としている、あなたにお願いしたいの」
「俺に、ですか?」
「ええ、知らないだろうけど…ここにあなたが来る前から知っているの。平民の使い魔のくせに、自覚が足りないとか、間が抜けているとか、気が付いたらどこかにふらふらしてるとか…」
「なんかボロクソだな…」
カトレアに自分のことを話していたと聞いて、何だろうと思ったが、やっぱりルイズはそう言っていたのか。
「ルイズの奴、俺のことなんて気に入らないんですかね…」
そんなことを思わず口ずさんだ。
「人はね…本当に嫌ならそのことを話したがったりしないの。あなたのことを話していた時のルイズの目は、すごく輝いていたわ。まるで星みたいに」
しかしカトレアはそんなことはないとでも言うように笑った。
「でも、今のルイズは一人ぼっちなの。意地を張って
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