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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
帰郷-リターンマイカントゥリー-part4/盗まれた友達
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ルギーを消費しすぎて、回復もままならないのだ。
今も、変身できるかどうか…』
その話はゼロも知っている。本来自分たちウルトラマンでさえも、次元を超えることは決して簡単なことではない。場合によっては、光の国全戦士のエネルギーを使うことで一人を送り込むことがやっと、ということもあるという話も聞いたことがあった。コスモスとムサシは怪獣たちを取り戻すために、たった一人でこの次元にやってきたのだ。無理を押した旅だったに違いない。
「だから、たとえ僕の知る怪獣たちが現れても、今の僕たちでは彼らを静めることも連れて帰ることもできないんだ」
「そんな…俺は…いや、ゼロはそもそもコスモスのような、怪獣を殺さずに鎮める技なんて持ってないのに…」
ムサシは今、エネルギー不足でコスモスに変身することが難しいなんて。
侵略者はきっとムサシたちから盗まれた怪獣たちを使ってくるに違いない。しかし自分たちは、自分の身を守るためにも、自分たちが守るべき人たちのためにも、ムサシとは旧知の仲である方の怪獣たちを倒さなければならなくなってしまうかもしれないではないか。
これでは、また…『失う』ことに、『奪う』ことになるのではないのか?ミシェルを失ったときの喪失感とショックが、足を止めないと決めたはずのサイトの心に再び影を忍ばせる。
「俺、今まで皆を守るために、怪獣とか星人を相手に戦ってきました。でも、考えてみれば…それだけ多くの敵を殺してきたってことです。
それでも俺、敵として対峙した人の中に、助けたかった人がいたんです。でも、俺に力が足りなかったばっかりに…その人は…」
敵でありながら、サイトが助けたかったと思えた人。それは紛れもなくミシェルだった。かつては由緒ある貴族で何不自由なく幸せに生きていたというミシェル。だがリッシュモンという財力と権力におぼれた外道に全てを奪われ、あまつさえ事実を知らない彼女は騙されて部下に引き込まれ、汚い仕事を押し付けた果てに捨て駒として命を奪われた。リッシュモンも許せないが、何よりサイトはそんな彼女を救えなかった自分が許せなかった。コスモスのような、優しさを強さに変えた力を持っていなかった。正直、相手を殺さずに戦いを終わらせることができるコスモスの力に、妬みを感じていた。
コスモスのような優しさを力にする能力があれば、アルビオン王党派の人々ややミシェルの二の舞を起こさずにすむのでは…?そんな期待がよぎった。
すると、ムサシは話を聞いた後に、再び口を開いた。
「…僕らも同じようなことがあったよ。助けたかった怪獣がいたんだけど、助けられなかった…」
「!?…春野さんたちにも、ですか?」
「僕だって失敗することもあるさ。けど、そうだね…あの失敗は、今でも僕の心から消え去ることがない」
「あの失敗?」
「ああ、あれは…」
ムサシはさらに
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