帰郷-リターンマイカントゥリー-part4/盗まれた友達
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あまりにも皮肉なことだった。
「そのまま大人しくしてもらいましょうか。あなたは私の知る限りでは最強クラスの怪獣。これ以上傷物にしてはお値段が低くなってしまいますからね」
チャリジャはそういうと、動けなくなったカオスヘッダーの前から一度退いた。
怪獣たちの方も、ロボットたちが怪獣たちに向け一体に一発ずつエネルギー弾を当てた。すると、怪獣たちは瞬時に身体中が光の網に包まれ、身動きがとれなくなってしまった。
その直後、赤い布は止めを刺すかのように覆い被さった。
風が吹くと、赤い布が空に舞い上がり、元の小さな布になる。
コスモスは、布が吹き飛んだ跡を見て驚愕する。
赤い布が消えた場所から、怪獣たちが…
その土地もろとも姿を消されてしまっていたのだ!
「リドリアス! みんな!」
思わずムサシの声でコスモスは怪獣たちの名を呼び掛けるが、返ってくる鳴き声はない。あるのは、工事現場跡地のように、四角状に穴がくりぬかれた大地だけ。
「そんな…みんな消えちゃった」
思わぬ最悪の結果に、アヤノが呆然と声を漏らした。
「ハッハッハ、怪獣たちは確かにいただきましたよ。ウルトラマンコスモス」
すると、コスモスたちの前の空中に、再びチャリジャが姿を見せる。だがチャリジャだけでなく、もう一人奇怪な姿をした怪人も同伴している。
「チャリジャ、これでよかったのだな。約束の報奨金をくれるんだろうな?」
怪人は、突如自分の手の中に、小さなケースを取り出してそれをチャリジャに手渡す。
「ええ、ありがとうございます。『怪宇宙人ヒマラ』。あなたを雇って正解でしたよ。おかげでジュランの怪獣を手に入れることができました。
ここまでやってくれたんです。当然約束は守りますよ。あなたの宇宙船を直すための修理費でしたね」
チャリジャは横に立っているヒマラという怪人からケースを受け取り、彼に向けてニヤッと笑った。このケースの中に、自分が欲しがっていた遊星ジュランの怪獣たちがぎっしり詰まっている。売ればきっと自分の商売が長いこと繁盛するに違いないと見た。
これが奴の狙いだったのだと理解した。チャリジャは最初から、あのヒマラという怪人に怪獣たちを一気に盗ませる気でいた。そのために、自分にとって商品にならなくなったとみなしたロボットたちを怪獣たちに、おとりとして差し向けていたのだ。
「待て!怪獣たちを返せ!」
コスモス=ムサシが声を荒げながらチャリジャたちに向かって叫ぶ。だが、それをチャリジャたちが聞きいれるはずもない。自分たちを守らせるために、ヘルズキングなどのロボット怪獣=処分品たちが壁となって立ちはだかる。
「ではごきげんよう…ウルトラマンコスモス。あなたから頂いた怪獣は大切に使わせてあげますよ。消費者の方々のためにね!」
すると、チャリジャの背後から巨大な宇宙
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